皆さん ご存知のマイナンバー制度について
私が乗り込んで聞いてきたw
マイナンバー制度のメリットとしては、個人情報の一元管理による事務手続きの簡素化、事務コストの削減、所得の過少申告・扶養控除・生活保護の適正化などが挙げられています。
他方、デメリットとしては個人情報の流出懸念がよく挙げられます。
マイナンバー制度は当初は行政機関のみでの利用となりますが、徐々に民間の取引でも活用が拡大されていきます。
金融業界でも銀行・証券などは猶予があります。しかし、やがては「マイナンバーを提示しないと取引しない」という方向です。徐々に日本国内の金融機関に預け入れている資産額は国に正確に補足されるようになるでしょう。
2021年をめどに預金口座へのマイナンバー適用の義務付けが検討されています。
現在は諸々の給付金や税金・社会保険料の計算は所得ベースに行われており、資産額は考慮されていません。正確な資産の補足ができないからです。
例えば1億円の金融資産があっても、給与・事業等の所得がない限りは「低所得者」となり、保護すべき弱者と認定され、低所得者向けの給付金がもらえたり、社会保険料の負担が小さかったりします。
しかし、マイナンバー制度の導入後は、資産も考慮に入れることになる可能性があります。自宅から遠く離れた場所に作った銀行口座(遠隔地預金)も、簡単に照会できるようになります。
扶養控除を重複して適用する不正や、財産を隠して生活保護を受給することが難しくなる方向です。
また、銀行を通す場合は、贈与税の脱税が難しくなります。これまでは年間110万円までは無税のため、例えば300万円を贈与する場合でも、100万円を3回に分けて、別々の口座に振り込めば、税務当局も贈与税の対象が分かりにくい面がありました。
しかし、マイナンバーと銀行口座が紐付けられると、簡単に名寄せしてひとくくりにできます。
これらはいいとして、マイナンバーの最大のデメリットで恐ろしいのは、国民の国内財産が正確に把握され、金融所得の課税が一体化し、総合課税が導入される可能性があることです。
現在は銀行預金・債券等の利息、株式・投資信託・FX等の利益にかかる税率は、基本的には分離課税で約20%です。いくら稼いでも一律です。究極にフラットでシンプルな税制となっています。
他方、給与・不動産・事業などの所得は累進課税となっており、所得が増えれば増えるほど税率が上がります。2015年以降の税率は以下のとおりです。
1,800万円超だと、約10%の住民税と合わせて約50%以上という恐ろしい税率となっています。
株式投資で例えば3000万円を得た場合は、税金は復興特別所得税を合わせて約609万円だけであり、1億円でも税金は約2031万円です。
日本の有名企業のオーナー経営者の中では、50~100億の配当収入を得ている人もいますが、株式を海外の資産管理会社に譲渡するなどで税率を低く抑えている方もいます。
しかし、給与等の総合課税の対象となる所得だと、3000万円の所得で所得税・住民税は合計で約1200万円強、1億円だと5000万円前後です。強烈な重税です。
50~100億の配当所得を得ている富裕層よりも高収入サラリーマンの方が税率はブッチギリで高いという逆転現象が発生しています。
マイナンバーで金融資産・金融所得が正確に把握できるようになると、金融所得も総合課税になる可能性があります。これがマイナンバーの最大のデメリットです。
フランスでは株式譲渡益は総合課税となっており、税率は21%~60.5%です。米国は連邦税は3段階の課税で、州・地方政府税は総合課税です。英国は2段階の課税です。
日本のフラットな20%の分離課税制度は、資産運用で多額の収益を上げる人にとっては天国のようなシステムです。
しかし、今後は累進課税ないしは段階課税になる可能性があります。あまり厳しくすると資本逃避・海外移住が進む恐れがあるのでハードにはならない気もしますが、フランスのような凄絶な税率の国もあるので予断は許しません。
55%まではいかなくても、20%・25%・30%程度の段階税率くらいはあり得る気がします。
結論としては、税率が20%フラットのうちに頑張って収益を上げるのが望ましいですね。もちろん無理は禁物ですので、日々集中して戦い、自分のスタイルを磨くとともに新たな方策を常に模索していきたいと思います。
惨烈なのは、金融所得の一体課税にとどまらず、資産課税も導入されることです。例えば、金融資産の1%とか3%とかに課税するといった税制です。
政府の諮問会議民間議員などを務めた伊藤元重・東京大学大学院教授は、「日本では所得に比べて金融資産が増えているので、将来の財政問題を考えると、所得ではなく、資産に課税するという方法もある」と述べています。
資産残高への課税(財産税)を導入すると資本逃避の懸念があるので、さすがにハードルが高いと思います。
しかし、政府の諮問会議民間議員の東大教授がこのような発言をしているのは恐ろしいですね。。