「老後破産」「貧困老後」という文字が週刊誌に躍っている。
『「老後破産」はこう防げ! 住宅ローン編 返済が月収の2割超、90年代に購入した人は危ない』(「週刊文春」
「週刊文春」では、次のような実例を紹介している。
Aさんは2階建ての建売住宅を1994年に購入し、3900万円借り入れて35年ローンを組んだ。
返済は毎月12万円と年に2回のボーナス時に30万円。妻の月収も40万円あり、繰り上げ返済もしていたために、まさか住宅ローン破綻するとは思わなかったようだ。
しかし定年を迎えた時、退職金は大幅に減額されて1000万円に届かず、再雇用の条件も悪くなった。妻が病気になったこともあり家計の収入が激減し、自宅をやむなく売却したが、600万円の借金が残った。
同誌において任意売却の専門家は、住宅ローン破綻する人が増えている実態を次のように語っている。
「破綻の相談は今年に入って増えており、昨年の倍、年間1000件に達する勢いです
破綻に陥る理由は、高額購入、退職金の減額、リストラ、病気、離婚……あらゆるものがあり、複合的でもあります。相談に来られた方に共通して言えるのは、ローンを組むときに破綻を想像した方は一人もいないということです」
また別の専門家は、今後も破綻は増えると警鐘を鳴らしている。
「購入者が破綻する時期は、平均して、購入後15~20年です。ここ数年の破綻者は、地価がまだ高かった1995~97年にフルローン(頭金なしの全額融資)で購入した人が目立ちます。
この時期に購入して、これから定年を迎える人も多く、今後破綻は増えると思います」(「週刊文春」)
高値つかみしてしまった不動産に、当時の高金利でなかなか減らない住宅ローンの元金、そこに思わぬ退職金の減額が襲うわけだ。
(「週刊文春」)記事より