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2016521(土) 16:52

新世代の車は事故時の対応

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最近ははHV(ハイブリッド車)やEV(電気自動車)がかなり増え、街で普通に見かけるようになりました。さらにこれからは水素を燃料とするFCV(燃料電池車)も増えてきます。こうした車は従来のガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車とは、事故時の対応も違ってくると言われていますが、実際にはどうでしょう?




まず最初に、災害に遭った際の日産のEV リーフの例をご紹介しましょう。

2011年3月の東日本大震災で各地が大津波に襲われた際リーフはまだ普及段階ではありませんでしたが、納車前で車両ディーラー等の車両置き場にあった20台ほどのリーフが津波に巻き込まれた。

被害に遭った車両はその後調査されましたが、津波に巻き込まれた事によるバッテリーの被害はゼロ。津波に押し流されて大破した車両でも、バッテリーは破損せず、海水に浸かってショートしたり発火したりした例は皆無だったそうです。

これをもって全てを語るわけにはいきませんが、HVやEVのバッテリーというのは非常に頑丈に作られており、たとえ事故で車両が大破したとしても、容易な事ではバッテリーにまで被害が及ぶ事はありません。

異常が検知された場合、例えば事故によりエアバッグが作動した場合には自動的に給電が止まるようなシステムになったり、バッテリーと車体とが絶縁されているので、少なくとも車体が原型を留めているような状態で、車体に高圧電流が漏電する事は考えにくいのです。


FCVの安全性はどうか


水素を燃料として発電するFCVも安全性には最大の配慮がなされています。

事故を起こして車が大破した時でも水素タンクが破損しないよう、非常に頑丈に作られているのはもちろん、水素漏れを検知するためのセンサーも搭載されており、万が一規定値以上の水素が検出された場合には、即座に水素の供給を停止するようになっています。

また、水素タンクが火災やその他の理由で異常な高温•高圧になった時は、バルブが開いて水素を外部に緊急放出するようにできているのです。もちろん、火災の真っ最中にバルブが開けば水素は燃えるでしょうが、タンクが破裂したり爆発するよりは被害が軽減できます。

また、延焼しなかった場合は水素は大気中に拡散しやすい性質を持っていますので、緊急放出後は発火する濃度からただちに下回るため、イメージしがちな、事故と同時に爆発炎上、という事態はかなり起きにくくなっているのです。


救助の安全は、スイッチにある


では実際に事故を起こしてしまった際はどのように対応したら良いのかを見ていきます。

ドライバーとして、また外部からの救難者として、どちらでも共通して気をつけなくてはいけないのは、感電よりも「スイッチが切られているか否か」です。先にも書いたように、HVやEVのバッテリーや給電装置は車体から絶縁されているので、漏電による感電の危険性はそう高いものではありません。

車体が完全に大破している時などは、ドライバーが自力で脱出する状態ではないこと、救助者が容易に車外からアクセスできる状態でないことが多いですから、どのみち専門のレスキューの出番です。

例外として、ドライバーが気を失っているけどドアが開けられそうな場合などは、緊急性が無ければやはり専門のレスキューを待つのが無難ではありますが、トンネル火災など、そうも言っていられないケースもあるでしょう。

その場合、注意しなければいけないのは事故を起こしたクルマのシステムが停止しているか否かです。普通のガソリンエンジンやディーゼルエンジンと違い、EVやFCVは停止状態では無音ですし、HVも必要が無ければエンジンを動かしていません。

ですから、普通のクルマの感覚でドアを開けて、車内にアクセスしようとしがちですが、システムが停止していなければクルマが突然動き出す可能性があります。そのため、HVやEV、FCVの場合はまずシステムが停止しているかどうか、メーター類などを見て確認してみてください。インフォメーションパネルが起動している状態であれば、システムはまだ動いている状態なので、スイッチを切らないと危険です。

トヨタ車の場合になりますが、スイッチを切った後もエアバッグやシートベルトプリテンショナー(事故時にシートベルトを巻き取り座席に締め付ける装置)は90秒間動作するので、スイッチを切った後も少し時間を置くのが無難です。



事故や災害後は安易に再起動しない


HVやEV、FCVなど高圧電気を使ったクルマは、確かに事故を起こした後の対応次第では危険です。

実際、緊急性が無いのであれば専門のレスキューに任せた方がいいのは確かですが、それと同時に、事故を起こした時に見捨てるわけにいかないという考え方もあれば、ドライバーが動けるなら自力で脱出しようとする事もあるでしょう。

そうした時の手順は通常動力のクルマとは若干異なる事だけは、頭に入れておいてください。また、事故や水没を起こしたクルマは、システムそのものが正常かどうか確認できるまで、自力で再起動しない方が、万が一のトラブルを防ぐ事ができる事も付記しておきます。
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