このモンゴルテントのキモは おそらく壁スクリーンと円形の屋根リングでしょう。
特に壁スクリーンの材料と作り方は素晴らしい。材料は一見して竹竿のように見えますがそうではなく 現地の草原・乾燥地帯に自生する「サンド・ウイロー(沙柳)の枝」です。この木は 学名にモンゴルと入っているので固有種でしょう。株から直接多数の枝が出ているので 枝分かれや節が無く 長さ2-3m・直径3-4cm程度の弾力性のある棒がたくさん入手できることになります。
これを格子に組むのですが 2本重なったところに(キリか何かで)穴をあけ それに革ヒモを通して端を丸める。この方法だとスクリーン全体の高さを変えれるし 湾曲させるのも自由だし もちろんたたむことも出来る。日本でよく見かける竹製の菱垣は外側からヒモでクロスに結ぶので ほぼ固定されてしまうが この「ヒモ一本の方法」だとフレキシビリティーは高いし ヤワヤワなのは後から地面と屋根で固定されるので問題は無い。建物のツーバイ工法や自動車のモノコック構造に通じるものがあります。すばらしいと感心してしまった。