幹線道路脇の民地にそそり立つ大木の伐採依頼がありました。
ここまで立派に育った大木を切ってしまうのは誰もがもったいないと感じます。
伐採する判断となったのは
・交通障害
・枝落ちによる弊害
・近い将来に対する倒木等の不安
などがあげられます。
樹高が約20m,枝張りが約15mありますが、重心が幹線道路側に傾いています。
また、幹の周囲から腐朽部が確認できるために芯部にまで達している事が考えられます。
突発的な強風等に対する強度が懸念される概況であると言えます。
枝の電線接触部は剪定でカバーできますが、通行人からの話で風の強い日は枯れ枝が「バラバラ」と落ちてくると言われました。
これらの事と地主様の意向により伐採する事になりました。
ここまで折角育った樹木の命を絶つというのは非常に心苦しいのではありますが、不測の事態が生じた場合の事を考えるとしょうがないのかなと思って作業を進めました。
■ニセアカシア(ハリエンジュ)
この木は北アメリカが原産の最大25m以上になる落葉高木です。いわゆる外来種と言われるもので、マメ科の特性でもある荒れ地・痩せ地でも生育できる事から、荒廃地や崩壊地の緑化用、街路や公園樹として多く導入されてきた経緯があります。
葉や樹皮・実などに毒性がある事で知られますが、新芽を山菜として天ぷらにしたり、蜂蜜の蜜源として有用に利用されています。
外来種でも在来種でも人が手をかけてそこに植えたものであれば、将来に渡って人には管理をする責任があると考えています。木の意志に関係なくそこに植えられて、後は自然に任せてという事にはならないと思います。
それは、市街地でも山の中でも言える事だと思います。
街路樹なら
適正な剪定や追肥などを行ったり、山林原野なら下草を刈るなど、責任を持って健全な成長を担保することが大切で、それが出来ないのなら植えてはいけないんじゃないかと思っています。
周辺環境の変化により支障木になってしまうケースも見かけます。道路の拡幅、建築物の増改築、造成などで自然の大木が伐採されてしまうものです。
これらも人為が関係する事なので、やはり人の側にその対応が求められます。
「畏敬の念」という事を今一度考えてみる必要があると感じます。
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