「むかし むかし おおむかし。
ある はれたひのこと。
やまが、ドドド‥‥ と ふんかして
じしんが グラグラグラ‥‥
そのとき!
アンキロサウルスの あかちゃんが
うまれました。
でも、‥‥」以前から、妻が子どもたちに読み聞かせをしているのを聞いていて、思わずホロリとする心温まる絵本だなと気になっていました。
その絵本の題名は
「おまえ うまそうだな」。
凶暴なティラノサウルスが「うまそうだな」と、生まれたばかりの
アンキロサウルスの赤ちゃんを食べようとしますが、赤ちゃんは「ウマソウ」が自分の名前だと勘違いし、ティラノサウルスのことを「お父さん」だと思い込んでしまいます。
ティラノサウルスは、自分を慕ってくれる「ウマソウ」を食べることができなくなり、徐々に愛情が芽生えるのです。しかし‥‥
この物語に登場するものは、食べるもの、食べられるもの、立場は違えど、みんな一生懸命に生きています。
それが、人の心に感動と切ない思いを呼び起こすのだと思います。
親から子へ、伝えたいこと。
それはとてもたくさんありますが、伝えられる時間には限りがあります。
だから必死で、なにかを人生の蓄えにして欲しくて、親は子に話しかけるのではないでしょうか。
いつかは誰しも、自分だけの力で生きて行かなければならない時を迎えます。
自分だけの足で、地面に立つことを求められます。
その時、我が子が途方に暮れないように、我が子がしっかり前を向いて歩み続けられるように、親は子に伝えようとします。
たとえ肌の色が違っても、時代が違っても、その気持ちは変わりません。
「おまえ うまそうだな」の作・絵は、絵本作家の
宮西達也さんです。
その
宮西さんが、11月14日(月)と15日(火)に鹿追町に来られ、「図書フェスティバル IN しかおい」の関連事業として
「講演会」と
「おはなし会と映画鑑賞会(おまえうまそうだな)
」を行います。
お母さんとの一緒に「おまえ うまそうだな」を見るひととき、その後の親子の会話‥‥
きっと、子どもたちにとって忘れられない、すてきな思い出になることでしょう。
「読書フェスティバルINしかおい」