今年1月4日のタツオ。何とか新年を迎えることができました。
体調がすぐれず扉が開いていても展示室に出てこなかった2月19日のタツオ。悲しそうな表情でした。
こちらをじっと見て目で訴えているようでした。「ボク辛いんだ。嫌なことばかりされているんだよ」と。
物言えぬタツオのために、多くの人たちと協力しできることはしてきましたが組織を相手にするのはそう簡単なことではありません。
頻繁にこんなことが繰り返されていました。
体調を崩す要因は何かという検証もなされないまま、日々トレーニングが続いていました。トレーニング自体を否定するつもりはありません。トレーニングがその個体の生活の質を上げるためのものであるなら、前提として当たり前の飼育環境が整えられているべきです。タツオの場合はその前提が欠落していました。
また他園や円山の他の個体を見ても、ハズバントレはその動物の一日の生活の流れの中の一部分で行われています。まずトレーニングありきで、既に体力が落ちた高齢個体の生活の場を長期間にわたり狭い寝室にほぼ限定するなど、体力の低下に拍車をかけ、かえってその個体の生活の質を下げることになります。
3月のタツオ。
トレーニングのため、タツオをひと冬寝室に閉じ込めるつもりだった担当者は放飼場の除雪を一切せず、タツオの脚元が危険だったため見かねた役職者や代番者が行っていました。タツオはその代番の日が大好きでした。
4月の貼り紙。
高齢トラを寝室に閉じ込めておけば脚力が弱るのは子どもが考えてもわかることです。
トレーニング優先で自由に外を歩くことさえ制限された結果です。
担当者はタツオを展示することを拒み、妥協の産物として朝わずか30分間の室内展示となっていました。それさえ色々理由をつけてはいきなり非展示となることもしばしば。
餌はミンチ団子をたくさん作っておいてトレーニングの釣り餌として与える方式。自分のペースで自由に食べることもできませんでした。
4月8日19歳のお誕生日。タツオのお誕生日を祝福するお客さんが集まりました。代番の日でしたので役職者の判断でいつもの30分間ではなく午前中長めに展示室で過ごしました。タツオも寛いでいました。
脚がふらつくと言いながらも、放飼場の草刈りは全くせず歩きにくそうにしていても無視。高齢個体を大切にしようなどという姿勢は感じられず、単なるトレーニングの対象に過ぎない扱いでした。
6月12日、室内展示室の丸太の配置換えがしてあり、どこをどう歩けばいいいのか戸惑うタツオ。
タツオがターンするときに必要な幅を把握していないため、後足があちこちで引っかかりました。足腰が弱っている個体に更なる追い打ち。
その朝、よく見るとタツオは背中から水を浴びていてびしょ濡れ。
横になると床が濡れました。見えないところでどんな雑な扱いを受けていたのかと思います。
外を眺める6月のタツオ。このわずか2か月後に旅立ってしまうとは思ってもいませんでした。
つづく