瑠美はソファで、寝そべって団扇をあおいでいた。
そこに洗濯かごをかかえた美知留があきれ顔で
瑠美のおでこをぴしゃんとはじく。
「いてっ・・・」
「部活が午後からだって、ぐたぐたしない~ほら」
「だって気持ちいいし~」
ふたたびダイブ~っ。
美知留はあまり昔と変わらない。
よく瑠美と姉妹に間違われるくらいだ。
そんな二人を見て唯一の男子タケルは
「シェアハウスの魔法だなあ・・」とつぶやいたことがある。
それが事実と証明されれば・・
いい商売でもはじめれるかも?しれないが・・・
(だってこう暑いとカラダうごかないじゃん~)
瑠美は起き上がると床に女の子座りした。
(つめて~。ぶかtu行きたくないなああ・・)
「ただいま」
そこに瑠可が戻ってきた。
「あ~どしたの?瑠可?」美知留が声だけ返事する。
「この暑さだから少し時間遅らせて練習することにしたんだ
チームの連中が倒れたら大変だからさ」
岸本瑠可。
今はモトクロスチームをかかえている。
数々の優勝歴とその人柄から瑠可に憧れるライダーも
少なくない・・。
かつてはその風貌から偏見にも悩まされ
それでも自分の意思は貫いてやってきた・・。
今もそれは変わることはない。
瑠美が生まれたときから瑠可、タケル、ママが家にはいた。
それはお父さんであり、お母さんであり・・
まわりから見たら不自然かもしれない。
でも私にとってはまったく不思議なことではなく・・
タケルがいうには
新しい形の家族なんだそうだ。
瑠美が小さいころ話してくれたっけ。
パパのことはママが話してくれた。
とてもさみしかったパパ。
ママの愛し方がわからなくて
ママを瑠可やタケルが助けに行ったこともあるそうだ。
それでも瑠美には大切なパパ。
私は瑠可に似ているといわれる。
髪は短いし
性格も女の子っぽくない。
でも決定的に違うのは瑠可は女の子に違和感があるけど
私は自分の性別に違和感はないから
すこし男の子っぽいだけなのだろう。
今はいろんな性が認められる世の中になった。
私のクラスにも瑠可のような子がいて
カウンセリングを受けつつ高校生活をしている。
そんなことをいうと瑠可は
寂しそうな目で
「今はいいよ。苦しまなくていいだけ・・」
そのまなざしがなんとなくいろいろあったんだろうな~
そう見える。
「お昼できたよ~瑠可、瑠美。」
テーブルに座り三人同時にひとつの皿に盛ってある
そうめんに箸が出た・・・
「やだあ~」
「なにが・・」
「ママこういうのが意気投合っていうの~」
「早く食べないと間に合わないわよ」
「ママも遅出だから今日は冷蔵庫にあるおかずね・・」
「はいはお~。」
「美知留カニ食べたい・・・」
「じゃ週末蟹に・・っみんなで出すのよ~瑠可」
「でもタケルがまたじゃんけんっていいそう~」
三人はうなずいた。
「でも私弱いしな。」
「あ~やっぱみんなで出す・・」
「なにぶつぶつ瑠可いってんの~」
瑠美と美知留はけらけら笑った。
どうしても書いてみたくて書いてみました。
難しいですね・・・・。