20081110(月)

ギフトシーズン1 「エピソードZERO」

ギフトシーズン1 「エピソードZERO」

「みんなによろしくね。」
美羽はカバンに衣類をつめながら
僕の話なんか、聞き流しているようだった。
「うん。わかった・・」
ニャオ・・足元に白黒の猫タマがすり寄る。
彼女はタマを抱き上げ顔にスリスリした。
「タマ~しばしの別れじゃ・・」
「あなたも大変だけど、がんばってね・・」
「はいはい。」
「あれ忘れていたわ・・」
そう言うと、彼女は店に電灯を付けた。
昼間でも暗いのに、夜は闇だ。
まるで大学の研究室のような、狭い空間に棚がいっぱい
あって、ヘンテコリンな物が沢山あった。
「すらすらドロップは何処だったかしら・・」
「えっと・・」僕も店に出て一緒にさがした。
ぐるっと見渡す。
「あれだ・・随分上だ。待って・・」
そういうと、僕は奥から踏み台をもってきた。
薄紅色の缶をそっと取り出すと
埃が舞って、薄暗い明りに舞うのがわかった。
「しばらく出してないからね」
美羽はあきれた顔をしている。
「クサルもんじゃないし。僕は必要ないし」
「完全にマスターすれば、私だって・・」
すっと長い彼の手の先から缶を受け取る。
「降りないで」
缶を開けて、美羽は紙の小袋に入った包みを五つほど
取りだし、直立している彼に蓋をして返した。
「そんなんで足りるの?」
「あとは何とかなるわよ・・」


「まあゆっくりしゃべってくれるだろけどね。」
「まだまだ君は読心力までは無理だから
みんな気づかってくれるよ・・」

美羽はコートをはたいて、カバンにドロップを
しまい込んだ。
「ほいじゃね~タマと仲良くするんだよ」
そう言うと彼女は満月の輝く初冬の夜に
姿を消していった。

僕はタマを抱きながら
「大丈夫だよ。用があってちょっと旅に
行っただけだよ。」

そう言うとタマは安心したかのように
大きな目を僕に向けた。










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