2012514(月)

時間旅行~金環食までの距離~

23年前、21歳のヤツと20歳のあたしは、豊頃のハルニレの木を目指して、なんとなく歩いていた。

6月に入り、ようやく十勝も春から短い夏が
予感させる気温が続く・・

でもまだ、半そでで、1日過ごせる・・とはいかず・・
夜は冷える・・


あの日のヤツは、それこそ
薄いコットンのシャツで、(それも半そで)・・・(ーー゛)
風もあったけど日陰は、寒かった・・

まだ草が伸びていない道をハルニレにむかい
てくてく歩いてゆく・・

ヤツが前あたしが後ろ・・
てくてく・・・

恋人同士に見えそうだが
ヤツとは、ギリギリ友達・・
と~ぜんキスもしたことがない・・
ギリギリ友達というのは
めんどくさい。
当然恋愛相談っぽい話もするわけで・・

ええ~い好きだと言ってしまえば
突然意識してしまうに違いない・・けど・・
と・・勝手に思っているあたし・・

嫌いじゃないけど・・
う~ん・・

ヤツは知らん・・どう思ってんだろうね。

てくてくな距離でええか・・・ははははは。

「結構草伸びてるね」
「う~ん・・」
「風が気持ちいいわ・・」
「う~んそうだね」

「あ・・」
「何?・・」
「ドリカムのアルバムでさ・・」
「ワンダー3っていうやつの・・」
「あれの最後の時間旅行みたいだなあ・・この景色」

「へ~どんな歌なの」
ヤツがおとなしくなった・・
「あとでCD貸してやっから、聴いてみ・・」


「おまえさ。太陽のリング欲しくない?」
「太陽の?リング?」
「プロレスの?」
ちゃうちゃう・・そんな顔をしてあたしを見た。

「指輪か・・」
「誰かに贈る予定でもあんの?」

「さ~な・・」

「変なの・・」

「行こうか・腹へった・・」
「うん・・あたしも~」

にっこり笑ってヤツを見た・・
(何もわかってないな・・コイツ・・・)

てくてく・・

22年後・・

17歳になる娘が、夕方部活から戻ってきた。
「来週の金環食さ~十勝は見えるのかなあ」
「どうなんだろ・・半分ぐらい見えるんじゃない」
「ね・・お母さんは22年前さ~」

「おとうさんにさ~」
にやりにやりしている・・
「なによ」
「今日ね、先生にドリカムの時間旅行っていう曲を
聴かされたの・・部活でさ・・」

「22年前ってさ・・おとうさんとつきあっていたんでしょ」
「ま~ね」
「あ・・でも付き合いまでは、行っていないの」
「ナアニソレ~・・」
「飯友かしら・・」

娘はニタニタして
「じゃお父さんに聞いてみよ。」

「太陽のリング・・贈るのっ~?って・・」

「こら・・変なこといわないでよお」



太陽のリングかあ~プロレスのリングと勘違いした
こと言われちゃ・・たまんないわ・・・ね・・









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