20151120(金)

餌付け問題


餌付け問題

国立科学博物館で受けた研修ボケがまだ抜けない飼育展示係⑦です。こんばんわ。
お腹いっぱいに情報を詰め込んできたので、消化に時間がかかっております。

園内の様子、動物たちの様子もお伝えしたいところですが、今日はその前に目の痛いというか、耳の痛いお話かもしれません。

お付き合い頂ければ幸いです。





という事でTOPはエゾリスのお尻です。

おびひろ動物園を含む緑ヶ丘公園は非常にエゾリスの生息数が多い、珍しい環境です。
それゆえ、多くの愛好家の方が撮影に訪れるほど…。


園内でも野生のエゾリスを目撃される方も多いかと思います。

本来であれば、その姿が見られるだけで「おぉ〜!」と呼べるような存在。
毎日仕事していると、ぶーぶーと文句言いながら?追いかけっこしている姿もよく見かけます。



しかし、一昨日の朝に私は目撃してしまいました。

袋から何かを取り出し、エサを与えようとしているおじさんを…


注意したかったけれども、おじさんはフェンスの向こう、私はこっち。しかも結構距離がある…


幸い、エゾリスから逃げていきましたが、残念がるおじさん。



朝からそんな姿を目撃し、注意に走れなかった自分のふがいなさと、相変わらず減らないエゾリスへの餌付け行動にヤキモキしていたところ、


タイミングよく、FBでこちらの記事を拝見しました。
エゾリスの会外部リンク

記事を書いた方からお聞きすると、なんと今では公園内でエゾリスが交通事故の被害にあっていると…。

動物園前の八千代線でも車に轢かれているエゾリスが時々います。
なにも、道路を渡らなくたって生活できるはずなのに、なぜかあの大きな道路を横断しようとしている…。

もともとは森や林で生活する動物。
今でこそ、こんな市街地にも生息していますが、こんなにどこでもかしこでも見られる動物ではないんです。


そこで、公園内をよく走っている方に伺うと、餌付けをしようとする年配の方をよく目撃するとおっしゃっていました。
自分の手からエサを与えようとする。
エサ台にエサを置いて呼ぼうとする。
エゾリスも人を恐れなくなる。
下手すると近寄ってくることもあるとか…

野生動物にエサを与えるという事は↑のリンク先にもわかりやすく書かれています。
ぜひ読んで見てください。

以前、知床のヒグマにエサを与える観光客が問題になってニュースになっていました。(まだまだこの問題も完全に無くなってはいません)
野生動物にエサを与える事は、彼らの命を奪う事になる事を理解して欲しいのです。
(もちろん、それ以外にも影響はたくさんあります)

野生動物は自分の力で生きて行く事が出来ます。
エゾリスにクルミをあげなくても、彼らは自分でクルミを見つけています。
しかも、あちこちに埋めまくっています。

にも関わらず、あちこちからクルミが持ち込まれ、埋めたエゾリスは掘り返すの忘れたのか、やめたのか…


それゆえ、公園内にはほんとにクルミの木があちこちで芽生えています。

園内も同様です。

気づけば根付く前に引っこ抜いていますが、それも2、3年クラスになると抜く事すら難しくなります…。
そうなると、年に1、2回伸びてきた木を切るしかなくなります。


エゾリスへの餌付けによって、公園内の植生にまで影響が出てきているんです。


動物が、人間の手からエサを食べる。
個人にとっては楽しみかもしれません。

ですが、個人の楽しみの為に動物が犠牲になるのがいいのでしょうか。
個人の楽しみのために自然環境が変容して行くのがいいのでしょうか。

今一度、餌付けが与える影響を考えていただきたいのです。

餌付けの問題はアザラシやキツネ、アライグマなどのスポットガイドでもお話しています。(ガイド者によって話のネタは異なります。私がガイドする場合は盛り込むようにしています。)動物園にお越しの際は、ぜひ聞いていただければと思います。








さてさて、次回は、明るく閉園中の様子をお知らせしますね。


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