201712(月)

ご存知ですか?今日からです。


ご存知ですか?今日からです。

新年あけましておめでとうございます。
前回の更新から気がつけばもう1年になろうかという飼育展示係7です。
まだ、動物園にいました。生きています。
今年も何卒宜しくお願いいたします。

更新していなかった約1年、様々な知見を広げていました。そして、このブログで何を書くべきか非常に悩んだのも更新していなかった理由の1つ。
あとは、時間的な余裕と体力的な限界?!で…(笑)
若くなることはないのに、あれもこれもと手を付けようとする私の悪い癖ですね。時々QPコ○ワさんのお世話になりながら乗り切っています。

実は見識を深めるために昨年11月末から12月にかけて帯広百年記念館の昆虫博士とともにアフリカ中央部の熱帯林(コンゴ共和国・中央アフリカ共和国)を訪れてきました。

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チンパンジー担当者としては彼らが生息するアフリカの熱帯林を一度は見てみたい!と常々思っていましたが、この度WCSコンゴ共和国支部の自然環境保全技術顧問の西原智昭さんのコーディネートにより、その機会に恵まれました。
(今回のコンゴ共和国・中央アフリカ共和国の視察・滞在についてはWCSヌアバレ・ンドキ国立公園プロジェクト及びJXエネルギーのCSR活動クリック募金(クリックで守ろう!エネゴリくんの森)より支援を受けました。この場を借りてお礼申し上げます。)
今回の視察の目的は、アフリカの熱帯林(原生林・二次林)で様々な動植物を見聞き体験し、さらにそこで行われている人間活動についても視察すること。その結果、今アフリカの熱帯林で何が起きているのかをしっかりと見てくること。そして、それを発信すること。です。


その中から本日お伝えするのは「酉年」にちなんで「ヨウム」について。
TOPの写真がヨウムです。
知ってましたか?
オウムじゃないですよ〜!!!!

知能が高く、人のおしゃべりを良くまねするので、ペットとして人気の高いインコの仲間。グレーの体に赤い尾羽が非常に映える鳥。
ペットショップで売られているときにフィリピン産と書かれていることが多く、ヨウムが東南アジアの鳥だという認識を持っている人が多いのですが、本来の生息地はアフリカ。それも西アフリカから中央アフリカにかけての熱帯林に生息する鳥なのです。

ヨウムは、昨年秋まではワシントン条約の附属書Ⅱに掲載されていた鳥。IUCNのレッドリストでも絶滅危惧ⅠB類にランクしています。
が、附属書Ⅱということは正式な手続きのもとで、決められた数のみ国際取引が可能です。

しかし今回の視察をコーディネートしてくれた西原さんによると、実際には違法な取引もあり、密猟が絶えない。と教えていただきました。
密猟者から押収したヨウムのうち約6割が死亡、半年後に野生復帰できるのが約2割、半年経ってもリハビリが必要である個体が約2割いるそうです。

その現状を多くの人に知ってもらうために、おびひろ動物園では昨年、フォトブックを使った2度のワークショップを開催しました。
詳しくはコチラ外部リンクコチラ2外部リンク

そして、昨年9月末から10月頭に行われたワシントン条約の第17回締約国会議で、ヨウムを附属書Ⅱから附属書Ⅰに格上げする提案が採択されました。
附属書Ⅰになると国際取引は一切禁止となります。
そして、その効力は採択から90日後の本日から発生します。

こちらは環境省のページ。外部リンク←クリックしてみてください。
こちらでは、ワシントン条約における変更による、国内の法律(種の保存法)の改正について書かれています。

つまり、本日から国際取引だけでなく、種の保存法の適用を受け、国内での取引についても、違法なヨウムの移入が混在しないための厳格な管理のもとにおかれます。
取引を行うためには、登録が必要となり、登録せずに取引を行う、あるいは不正な手段で登録を受けた場合には違法行為となり、厳しい罰則があります。
詳しくは環境省のリーフレット外部リンクをご覧ください。

しかし、ワシントン条約会議で格上げが決定以降もヨウムの密猟は収まっていないそうです。
駆け込み密猟なのかなんなのか。
前述の西原さんによると年末に密猟者から押収し、保護されたヨウムは200羽以上。
捕獲から押収までの間に死亡している個体がいるであろうこと、一地域だけでこの数と言うことは他の地域でもあるのではないか、あるいは捕まっていない密猟がまだあるのではないか…と考えるとどれほどのヨウムが犠牲になっているのだろうと…。
さらに、6月頃に聞いた現地でのヨウムの末端価格が、現在は5倍に跳ね上がっているのだそうです。附属書Iに格上げされたため、ヨウムをほしい人にとってそれはもはや稀少価値を持つ鳥に。だから、末端価格が高騰したのかもしれないとのことでした。
それもこれも需要があるからこそ供給が生まれ、そこに価値があるのであれば違法であっても手を染めてしまう。
しかし、そんなことを続けていればヨウムという鳥が絶滅してしまう…かもしれません。
いなくなったら次に人気となる鳥でいいや。とはいかないですよね。
彼らは私たち人間の消耗品ではありません。

本来、野生のヨウムには、ちゃんと生息地において生態系の一部をなす大切な役割があるわけです。
役割があって、必要だからこそ今でも子孫を繋いで生きているいるわけです。
もちろん、それはヨウムに限った話ではありません。
それを人間が、種の存続すら脅かすほどの影響を与えることはどうなのでしょう。
皆さんも一緒に、ちょっと真面目な話ですけど考えてみませんか?

また、アフリカ滞在中は西原さんが行っている押収されたヨウムの保護・野生復帰を行っている施設を見学に行きました。
その時は、まだ大量に押収される前。ケージの中には約20羽のヨウムがいました。

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挨拶をした森林省の方によると、エコガード(森林警察)のパトロールも強化され、密猟が少なくなったようだ、野生のヨウムを見る機会も多くなったと思う、と仰っていました。
その日は、ケージにいるヨウムの一日も早い野生復帰を願っていましたが、実態はそんなに甘くないということを、年末の情報で思い知らされました。

私たちには、まだまだ知らないことがたくさんあります。
知らないからこそ、気づかないうちに野生生物に、あるいは環境そのものに大きな負の影響を与えているかもしれない。
そう感じずにはいられないアフリカ熱帯林視察でした。
そして、実際に目にしてきたからこそ、こうして少しでも多くの方に伝えていきたいと思っています。
現実に起きていることを知って、みんなで少しずつ生活スタイルを変えていきましょう!!!

これからの地球のために☆

ということで、本日は酉年ということでヨウムのお話でした。

復帰第1弾にも関わらず長編ブログにおつきあいいただき、ありがとうございました。

最後にコンゴ共和国で偶然にも朝のお散歩で見つけたヨウムの動画。
前日の夕方から、ホテルの前方からヨウムの鳴き声が聞こえるんだよな…と気になっていて、翌朝ホテルの敷地内を散歩していると、またヨウムの声が…。
あちこち見渡していると






見つけた!!!!!!!!




とかなり寄った映像で、ボケボケですがどうぞ。
こんな風に見つけられることは稀なそうな…



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