2019929(日)

東大の先生が明らかにした勉強のコツ

東京大学教育学部教育ガバナンス研究会 [編]
「グローバル化時代の教育改革」
東京大学出版会 2019年

植阪友理
13 資質・能力としての「学ぶ力」をどのように子ども達に保証していくのか

効果的な学び方としてまず挙げられるのは、「(丸暗記するのではなく)意味、原理、構造などを理解して学習する」ということである。これまでの研究から、熟達した学習者は、単にやり方を知っていてそれを適用できるだけでなく、なぜそのようになるのかという理由や原理についてよく理解していることが知られている。すなわち、手続きだけでなく、その背景にある意味を理解していることが重要なのである。今回の指導要領改訂の議論でも、「深い学び」が奨励され、その具体的中身の第1項目として「深い理解」が挙げられている(中教審2016)。この深い理解の代表が、「原理や意味が分かっている」ということなのである。
2つ目は、メタ認知を活用した学び方である。一般的に、「メタ認知」とは、自分の分かることや分からないことや、自分の考えた過程などを意識化し、意識化した状況に応じて行動も変えていくようなことを指す。これは具体的な学習に当てはめてみると「分かることと分からないことをはっきりさせ、それを活用しながら学習を進めている」ということなどになる。「分からないことが分かる」、すなわち分からない部分がどこなのかがはっきりとさえしていれば、人に「この部分がわからないから教えてください」とピンポイントで聞くことができ、内容理解を一層深めることができる(すなわち、現在の教育が目指す「深い学び」に至ることができる)。
3つ目は、「自分の頭の中だけで考えるのではなく、本や教科書、図表、他者など、頭の外にある様々な資源(リソース)を活用しながら学ぶ」である。人間の特徴は、頭の中だけで思考するのではなく、頭の外の様々な資源を利用する点にある。例えば、うまく社会生活を送っている人は、メモをとったり、図にまとめたりなど、手を動かしながら考えている。また、分からないことに出会った時には、自分から本やインターネットなどで調べる習慣を持ち、本当に困った時には、人に聞くということを厭わない。このように、頭の外にある資源や道具をうまく使いながら考えることができる学び方も非常に重視されている。(207page)






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