クリスマスイブの日に不倫が見つかった同僚
クリスマスイブの日にフラれた後輩
クリスマスイブには、みんなそれぞれたくさんの思い出があるようで
同情もできるし、笑えるしで、なかなか楽しい
あれは・・たぶん・・
罰が当たったんだと思う
そんなクリスマスイブ、僕の思い出
大学の頃、後輩だった女の子から親しまれていたって言うのかな巨人倍増
よく連絡を頂いていて、ときに頼み事などをされていた
彼女には彼氏がいて、いつもとても仲よさげだった
クリスマスをもうすぐ迎えるある日のこと
彼女から、「彼氏にフラれた」と相談を受けた
ヤれる
そう思った若気の至りな僕は「じゃー相談も兼ねて僕がクリスマスイブしてやるよ」
と、下心を下に隠さず全面で放出してしまっていた
彼女は「マジ!」と叫ぶと同時にとても嬉しそうに微笑んだ、そして
「じゃーあたしの家でイブしましょう」と言った
ヤ、ヤれる!
絶対ヤれる!
僕はシャンパンとケーキを買って行く、彼女はお料理
段取りは決まった、すでに僕の暴れん坊将軍が暴れそうな勢いだ
とにかく彼女はスタイルが抜群
先輩、後輩の間柄とはいえ、たとえ地獄に堕ちようと
君と一緒なら僕はなんの後悔もしない!みたいなスタイルなのだ
ただ、ひとつよくわからないことがあって
彼女は化石発掘や遺跡発掘の仕事に就きたいらしく
怪獣や恐竜が大好きで、男の子みたいな女の子なんです
クリスマスイブ当日
ケーキにシャンパン、プレゼントのマフラーを持って彼女の部屋へ入ると
テーブルには、花が飾られ、ピザ、ローストチキンなどが並べられていた
「これ、自分で作ったの?」と問いかける僕に
「これだけじゃないのよ、こっち来て」と
ふすまで仕切られているもうひとつの部屋のほうへ手招きをした
ワクワクしながらふすまの隙間から覗き込むと
そこはベッドとデスクが置いてあるだけで、特になにもなく
えっ、もうヤるの?としか思えない状況だった
「えっ?　なに?　なんかあるん?」と、とっさに答えた僕に、彼女は
「上、上、上見て」と言った
促されて見上げると、天井からとてつもなく大きな物体がぶら下がっていた
よく見ると1.5メートルはあろうかという巨大な鳥である
唖然とする僕に、彼女はとても自慢げに
「これ作るの、2週間以上かかったんだよ、鳥じゃないよ、プテラノドン!
知ってる?　ほら、ここ、ここ見て、首が動くの、あと羽も関節がちゃんとあって
本物みたいでしょ?ペーパークラフト、すごいでしょ?　ほらここ引っ張ると
羽ばたくし、ほらほら!」
食事中も彼女は、模型屋さんでのプテラノドンとの出会いから
制作における苦労話、そしてイブの日、僕にお披露目することを
どれだけ楽しみにしていたかを熱く語り続けた
失恋の痛手をどこにも見出すことのできない僕は
堅くなりかけているピザを、口に押し込んでいたが、もはや何の味もしなかった三體牛鞭
すぐ上のプテラノドンに見つめられながらエッチする勇気も出なかった
味のしないピザを無理やり口に押し込む作業を終えたあと
僕は、「ごめん、今日この後急用が入ったんだ」と嘘をつき
玄関先に無造作に置いていたコートを羽織ってプテラノドンから逃げ帰った。