2007822(水)

街路樹の話


剪定という名のもとにブッツりと切られ佇む街路樹などを見る機会も多いかと思います。
息も絶え絶え、なんとか生きている瀕死の状態の木やすでにその剪定が明らかな原因で枯れてしまった木も多い。
何よりもそれは切ない景色として目に焼き付いてしまう。

なぜ街路樹を植えるのか。
そんな疑問に行き当たってしまう。

その前に、なぜそのような状況になるのかを考える。

剪定は木が伸びすぎて通行の支障になったり、込みすぎて害虫や病気の発生の原因になったり、台風時期前に強風による影響を最小限に抑えたり、落葉による民地や通行の障害にならないようにという配慮だったり多岐にわたる。

本来最大の目的は、通りの美観形成のために下枝の高さを揃えたり形状を一律になるように整える事にあると思うのだが。

しかし、現状は近隣住民からの苦情対応、冬期間の造園作業員の雇用対策が主になっている。(十勝の場合に限定して)
もちろんそれは悪い事ではない。

しかし、実際に作業に入ると「葉っぱが落ちて掃除が大変だ。いらないから根元から切ってくれ」とお叱りを受ける事が多々ある。業者は当然伐採するわけにはいかないから小さく小さく枝を切り詰めてしまう。
そうして見るも無惨な街路樹が出来上がる。
その繰り返し。木は当然弱っていく。

樹木が何故枯れるかご存じだろうか。
これにも色々な要因があるが、剪定要因に絞って言えば、切り口からの腐朽菌の侵入による腐朽枯死と強剪定による光合成不足などの弊害だ。自然枯死はほとんど無い。すべては人為によるものと言ってもいい。
太い枝を幹際から落として何の手立てもしない。
明らかにバランスを欠いた強度な剪定により衰弱を余儀なくされる。

最近目にする機会の多い光景がある。
苦情など入る場所ではない。上に電線も走っていない。
だけどなぜか極端な剪定とはもはや呼べない枝切りが平然とその通り全部の木にたいして施された景色。
殺そうとしているとしか考えられない。
なぜなのか。
同じ造園業を糧とする者の仕業ではない事を祈らずにはいられない。

ビジョンが無いのだと思う。
計画する側の行政も、それを植える業者も、管理する業者も。
この通りは10年後には、20年後にはこうなる。こうしたいから
この樹種をこの間隔で植えるというビジョンが。
そのビジョンがあって初めて近隣住民にも協力を願える。業者もそれに沿って管理をしていくというビジョンが。

道路の両サイドで違う樹種の街路樹が植えられる。
明らかに不自然に通りの途中から樹種が変わる。
本来のその樹種の樹形ではない形で維持しなければそこに収まらずに、放置したら交通に障害を来して抜かれてしまう。
植えて数年後にはほとんどの木が枯れたままになっている。

すべてにその場限りの、誰も責任を負わない体制のツケが樹木に回ってきている。
そうして誰も街路樹に興味を持たなくなり、邪魔者でしか無くなる。

もう一度、街路樹は何故植えるのか。なぜ必要なのかを考えてほしい。

植わさっていればそれでいいのではない。
そこには意味があり、ストーリーがあって、住民はみんなそれを知っていて愛している。
全国にはそんな街路樹が至る所にあるのです。

十勝は街路樹の整備率は全道でも高い方なんです。
だけど当然それだけではだめだと思います。
その「質」も高くなくては意味がない。

もう一度。通りを眺めて欲しい。
街路樹達の悲鳴が聞こえてきませんか?


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