庭縁雑感(15)


2018324(土)

これから庭をつくる人のために   (その5)


これから庭をつくる人のために   (その5)

五回目は「軒下」についてです。
通常軒下には化粧砂利が敷かれていると思います。
十勝では「水洗砂利」と呼ばれる川砂利の20〜25mmを洗ったものが多いですがそれ以外の材料もあります。
目的は降雨や屋根からの雨垂れが泥をはねて住宅を汚さない用途が大きいのだと思います。ケースにはよりますが、新築時に幅50〜100cm程度で住宅回りに敷かれているようです。

新築一年目はこんな感じですね。
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北側の軒下です。幅100cmで水洗砂利が敷かれています。そこから境界までは整地された土のままです。土にはコケが生えていますがぼちぼち雑草も侵入してきています。

問題は二つあります。
一つは敷かれた化粧砂利は地面の上にそのまま敷かれているという事。
(最近は軒下の化粧砂利の下に防草シートを敷くのを標準としている住宅メーカーも増えてきていますが、多いとは言えないようです。)
二つ目は境界までの土の部分の雑草の発生です。


年数が経過したある事例。
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隣地も同様な状況になっています。
目立つのはスギナです。ご承知の通り厄介な雑草です。

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春はつくしが目立ちます。つくしが胞子を飛ばしスギナの生育域を広げます。

<スギナ(つくし)>
和名:スギナ(杉菜) (別名:地獄草)
形態:栄養茎を「スギナ」と呼び、胞子茎を「つくし」と呼ぶ。
繁殖方法:胞子と地下茎(根茎と塊茎)
※以前は酸性土壌に生育する事から土壌をアルカリ性にするために石灰を撒くと良いとされていたが、それが特効でないことが言われている。
根っこが深い所にあり、除草剤がなかなか効きづらい事もやっかいな雑草の筆頭にあげられる所以でもある。

旺盛な繁殖力
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なかなか大変な状況です。

<失敗談>
当社の事例ですが、現況スギナが生えている現場がありました。そこは80cm盛土をして固く転圧をしてグランドのような遊び場にする仕事でした。盛土材料は赤土に砂を混入した土でした。そこで現況のスギナを主とした雑草を10cm程度スキ取り表土を盛って転圧して完成させました。
翌年、その90cmの土厚をかいくぐって見事にスギナが生えてきてしまいました。
思慮が浅かったとしか言いようがありません。スギナの根を根絶してから盛り土をするか、底面に厚手の防草シートを敷設してから盛り土をすべきでした。反省です。

スギナを一旦生やしてしまったら根絶はなかなか難しいものになります。
地中に根が少しでも残れば発生の要因になる可能性があります。
また胞子という非常に細かな状態で遠くからでも風にのってやってきますので、普段使用しない軒下から隣地境界までの間などはなるべく発生源にならないように早期に手だてを講じておく事をお勧めします。
毎年そこに手を掛ける時間がもったいないという事です。

一番良いと思われるのは、新築時に化粧砂利を敷く際にはスギナに耐性のある防草シートを敷く事です。外構工事の際に改変する場合に、化粧砂利にスギナが発生していたら再利用は厳しくなるので最低限の処置だと考えます。
敷地境界の高さ・レベルが確定できているのであれば敷地境界まで防草シート+化粧砂利を敷設してもらえれば後にコストがかからない事につながります。外構工事の際に敷き直しになるとダブルでコストがかかる事になってしまいます。

外構段階での手だてとしてはスキ取りと防草対策を施した上に化粧砂利の敷設になります。多くの場合雑草が発生している段階での対策になりますので最低限のコストでは完璧とは言えない場合もあります。やはり、新築時の対応が考えられるベストと思われます。

外構での対応事例
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雑草の発生は抑えられ、これまでの労力や心労を考えると費用対効果は大きいと思います。

少しでも参考になれば幸いです。


次回は「凍害」について考えてみたいと思います。












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2018317(土)

これから庭をつくる人のために   (その4)


これから庭をつくる人のために   (その4)

四回目は「越境」についてです。
デリケートな要素を含みますので事例は最小限になりますが、これから同様の問題に直面した時の少しでも参考になればいいかなと思い取り上げます。

土地の売買の際、住宅の建築の際、外構の工事の際にはそれぞれ敷地の境界を確認する作業を行います。
隣地の土留や舗装や物置等の構造物や盛り土などの法面がこちら側の敷地に入り込んでいる場合があります。
通常は上記の土地の売買や住宅の建築の際に問題が解決される場合がほとんどだと思いますが、まれに外構工事の時点まで対応ができていない場合もあります。

隣地の所有者とはこれから長いお付き合いがあるわけですから、トラブルを避けたいのは誰しも同じです。この場合当事者はなかなか言いづらい面もある事から不動産屋さんや建築業者さんを介して土地に動きがある際にその改変をお願いする事がスムーズ収められる事につながります。

トラブルになったケースもあると聞いていますので、経験の豊富な業者さんにお願いするのが良いと思います。

よくお聞きするのは、「私はいいんだけどこの土地を引き継いだ人に余計な負担をかけさせたくない。」というのが大きいようです。

外構や庭を施工する段になっても越境状態が解消されていないケースもあります。中にはこちらからの指摘を受けるまで越境の事実を把握されていない施主様もいらっしゃいました。
外構工事の多くの場合敷地内に雑草対策を施したり、隣地との境界沿いに塀やフェンス等を設置したりする場合がありますので越境は大きな問題となる場合があります。

事例として数例ご紹介します。(画像は加工してあります)

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隣地側で設置したブロックが凍上の影響で越境状態にあります。
軽微な例ですが、当事者としてはこの際にきっちりしておいきたい所です。
直すのにもそんなに費用はかかりませんが、土留としての機能もあるようなので、本格的にやるとなるとそれなりに経費がかかってしまいます。
このケースに限定ですが、レベル差がさほど無いのでブロックを撤去して防草対策を施し、化粧砂利のマルチでつないでしまう方法が後のトラブルも避けられますし、コスト・メンテナンスの面でも有利かと思います。


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自分の代でなんとかしておきたいという事例です。
隣地側で業者と相談してなんとかして欲しいというケースですがコストがそれなりにかかる事から丁寧な説明が必要です。
施工した業者側の責任も問われるケースです。


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最後は特殊な事例になります。
これは見ての通り大変に危険な状況ですので早急な対応を求めたいところです。ブロックの撤去と土留など非常にコストのかかる対応が必要です。
隣地側でも状況は把握しているはずですが長期にわたって放置されていたものという事です。
なかなか無い事例だとは思いますが、対応を求めるにも心が重たいですし、対応に時間がかかる事も予想されるのでやはり土地の購入時等、建築時等に対応を求める方が良いと考えます。


これまでも小規模のケースを含めて多くの事例がありますが、構造物等の越境は無くても落雪が敷地内に影響するなどのケースもあります。
初めての事であれば事前に把握出来ない事も多々あると思いますので、やはり専門家である不動産業者、建築業者、外構業者等にその可能性を事前に問うてみるのは良い事だと思います。

隣地からの影響として考えられる事として、
・雨や雪の影響
・植木や植物、雑草等の影響
・構造物等の影響
・反射等の影響
他にも多々ありますが、事前に確認する事で対応や責任の所在等の明確化が図れると思います。


一部でも参考になればと思います。


次回は「軒下」について考えてみようと思います。












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201838(木)

これから庭をつくる人のために   (その3)


これから庭をつくる人のために   (その3)

三回目は「住宅のレベル・玄関ポーチ」について考えます。

住宅の「レベル」とは「高さ」の事ですが、前にも述べたように住宅は道路よりも高い場所に建っています。住宅の玄関ポーチの階段を下りた場所が普通は住宅のレベルになります。ただし、土地の形状によっては必ずしもそうではないのですが、ほぼそんな感じが多い事例となっています。
住宅が道路よりも高い事で屋根に降った雨は道路側に浸透排水されるように計画されます。仮に周りより住宅が低いと敷地内外に降った雨が住宅側に全部集まって来てしまいます。極端に言えばそんな感じですが、実際にはそんな事例もあった事が以前にありました。

住宅を建てる際には道路の高さがわかっているので通常緩やかなスロープ等で道路とアプローチでつなぐように計画します。
しかし、実際にはそうはなっていないケースがありますので参考としていくつかの事例で紹介させていただきます。


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A-現況の階段の蹴上げ(垂直面)の高さが15cmなのでAの線が設定レベルかなと思いきや周辺の設備関係(基礎の通気口・汚水桝・エアコン室外機台座)などからBの線が設定レベルだとわかった。他にデッキ等あればその階段の高さなどからも設定レベルを読む事ができます。
仮にAの位置だと歩道までの距離が短いためにアプローチが非常に急なスロープになってしまい危険です。
これらの事から階段が一段足りないのではないかという事を協議して建築サイドで階段を一段増設してもらいました。

B-階段増設後の状況です。これで安全なアプローチの設定が可能となりました。ここで示すB部分は現況歩道アスファルトの切除箇所です。ここの歩道舗装は民地側に縁石が施されていないのでアプローチの基礎を掘削する際に基礎砂利が崩れて綺麗な仕上がりにならないためあらかじめ舗装をカットして基礎部分を同時に仕上げてアスファルトを復旧します。

C-完成の状況です。カーポートの舗装から庭部分までの摺り付けが自然にまとまりました。階段増設前のままで作業を進めた場合は庭部分が逆の勾配になってしまうところでした。


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A-現況は木製の簡易的な階段で駐車場までをつなぐ形で不安定なアプローチを余儀なくされていました。不便を感じての改良の依頼となりました。

B-改良後は現況ポーチと同質のタイルで階段を増設して見た目の統一感と安全性を確保しました。住宅の計画段階からご相談をいただければ違った形も考えられたのですが、施主様は出来てみないとわからないというのが本当のところで、事前の説明も無ければ何が問題なのかもわからないという事につながります。事例1とは違って、施主様の負担による工事となりました。
現況が建て売りで状況を納得した上で購入する場合もあるかと思いますが、その後にかかるコストも把握出来たら良いと思います。その点でも説明は大切だと思います。


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A-現況は煉瓦のスロープになっています。冬期間に危険があるという事でのご相談でした。スロープから1段上がる蹴上げの段差も少し大きいのも気になります。Aのラインが適正な高さ設定になります。そこまで上げるとさらに勾配がきつくなるので下げたのだと思います。

B-階段状に整備し直しました。ポストのアクセス側は踏面(平らな面)を広げています。ポーチが歩道に近い場合はその高低差によって階段の必要性を考える事になりますが、建築時の同時施工によってコストが圧縮できる場合もあるかと思います。この事例の場合は外構に2度コストがかかってしまっています。そこに住まう人の立場に立った提案や説明の必要性を感じます。


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A-明らかに外構まかせの感じで施主様が自身で処置をしています。高さに対する説明も無かったようなので数年この形で過ごしていたようです。
住宅の竣工直後がどういう状況だったかはわかりませんが、もう少し配慮があっても良いかなと感じました。

B-ここは歩道まで距離があったので緩やかなスロープと階段の併用で計画しました。植栽を楽しみながら毎日歩く意味のあるアプローチになったのではないかと思います。仮にもう二段階段をつくっておいてくれたらかなりコストの面で助かったのではないかと思います。


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A-これも明らかに1段分の階段が足りません。周りの設備等の高さ設定を見ても明らかです。あとは外構で。という感じでしょうか。やはり同時施工のコスト等の優位性みたいなものを考えてしまいます。他に何か理由があるのかも知れません。しかし、外構整備までの不自由さは施主様が負う事になるので仮の対応でもあれば良いのかなと思います。。

B-出入りの方向性に配慮して半円形の階段ポーチを増設しました。設置してあったポストの前面にポーチを伸ばしてあります。外構の一部として整備していますが建築の一部として見られる場合もあるかと思いますので建築家の建築に対する思い入れが反映されたものになっていれば良いのですが。


これら事例の伝えたい事は、低コストで納めるならスロープで良いが、安全性・景観製・利便性に欠けるために建築時に階段をもう一段足してくれるだけで施主側の快適性が大きく違ってくるケースが多く見受けられるという点です。また、住宅の設定レベルがなぜここなのかという事を施主様に理解していただけるように説明するという事です。多くの人が言えずに、聞けずに不便なまま毎日を過ごしている現状があるという事です。それが当たり前と何も感じていなかったのに外構工事によって今までの不便さに気づかされる人が多くいるという事実です。


まだまだ多くの事例があります。
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その他の対応事例
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これから新築を考えている方にも参考になればと思います。

次回は「越境」について考えてみたいと思います。









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2018228(水)

これから庭をつくる人のために   (その2)


これから庭をつくる人のために   (その2)

2回目は「敷地の高低差」についてです。

お宅に接している道路には必ずと言っていいほど傾斜が付いています。見た目わからなくても水が流れるようになっています。ですので宅地も少なくても道路面は高低差があります。
住宅やお庭は基本水平につくりますので隣接する宅地や道路との間に段差が生じるようになります。

>>事例1
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北側の歩道との間に約30cm段差が生じています。住宅の設定レベルにあたる軒天は水平に化粧砂利が敷かれています。
そこから歩道に向かって土の傾斜で仕上げています。その幅は約80cmです。屋根は無落雪です。

問題点として、雑草の問題と土の流出が考えられます。
現状では化粧砂利の防草対策がなされていないため、雑草の温床になる事が考えられます。また、土の部分は歩道側に流出します。

[対策案1]
敷地境界際に高さ30cm程度の土留を施す事で約2.0mの平地が創出でき、防草対策がしやすくなります。有効活用という面では無落雪であることから歩道際に花壇等を設ける事が可能です。日陰の花壇にはなりますが通りが豊かになります。

[対策案2]
住宅の基礎の際から歩道に向かって摺り付けると15%程度の勾配になります。幅は2mありますので一時的な駐車スペース等として防草対策も兼ね備えて整備する事ができます。冬期間には段差の無い堆雪スペースとしても活用できます。屋根からの雨垂れや落雪が無いために可能な整備です。

>>事例2
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敷地北側で約75cmの高低差が生じています。雨水も雪もここにダイレクトに落ちる環境にあります。
現況は高さ10cm程度の花壇ブロックで表面の砂利を留めている状況です。物置下に敷かれたアスファルトも下部の砂利が空洞化しつつあります。
早急な対応が求められる状況です。

[対策案]
土留を施します。その土留は凍害等の弊害に配慮して排水性のあるものにするのが良いと考えます。
現況は各ライフラインの点検スペースも兼ねているためアクセスを確保する事にも配慮したほうが良いでしょう。

>>事例3
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南側隣地との高低差が80cm以上ある事例になります。
本来なら法面が生じている隣地側に施工すべき義務があると考えますが、問題なのは、その施工の必要性を建築メーカーがオーナーに説明していないというところにあると思います。
このケースでは他者に迷惑をかける場合も考えられるわけですから、新築時や売買時に、後に施工が必要になる事を説明すべきです。ベストなのは住宅の工事の時点で同時に施すことでオーナーの物理的・精神的不安をずっと軽減できるものと思います。

このままでは南側隣地に降った雨の半分は北側にある住人の敷地を通って道路に排出されるため、北側敷地住人が不便を感じてご自身で負担をして土留め工事を行う事になりました。

>>事例4
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住宅建築時の盛り土により周囲より80cm程度高い敷地となっています。土留等が行われていないため、盛り土が隣地に侵入してしまっていました。
境界線から約70cmが使用出来ない土地となり、南側と西側をあわせても16㎡(5坪弱)程度になり「もったいない」気が誰が見てもします。
また、このまま放置すれば雑草の処理に苦労するばかりでなく、隣地に迷惑をかけているのではないかと不安感がつきまといます。

解決策としては「土留」を施す事ですが、住宅と隣地フェンスの部分と北側全面に掘削機械を入れる事ができません。施工に際しては人力による部分が多くなるのでコストは高くなってしまいます。
やはりここでも住宅メーカーが土留の必要性を伝えて住宅基礎工事の前か同時に行う提案をすべだったと感じます。壁が立ち上がった後からでは土留の施工性に問題が生じます。

そういった点で、住宅は建てば良いのではなく、その後のオーナー様の生活にも考えが及ばなくてはいけないと思います。外構は少なからずやるべき事なので、少しでもコストが減る方策があるのならそのアドバイスは必須であると思います。

加えて、前から疑問に思う事があります。やはり敷地の高低差に関わる事なのですが、設定されている「住宅の設計レベル」が不自然に高いケースがあるという事です。色々聞くのですがなかなか腑に落ちていないというのが正直なところでしょうか。(当然それぞれに理由があるとは思いますが)
この住宅設計レベルが庭のレベルに大きく関係するのと、道路から玄関までの高低差にも関係します。住宅の設計レベルが極端に高いとアプローチに階段を設けたり勾配を緩くするために建築で設置した階段ポーチを足し増したりすることがあります。これももし不必要であれば外構コストの低下につながるという事になります。

>>事例5
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道路から住宅設計レベルまでの高低差は1メートルあります。
これは必然で、旧住宅の基礎を利用した新築工事の為最初から想定された高低差と言う事になります。

この事例は庭部分の敷地を2メートルの幅で損をしていますので、土留を設置して庭を広く保てるようにします。庭の高さと通行人の目線がぶつかるためフェンスを設けてプライベート空間を確保します。
高さ1m程度の土留の資材の選択は通りの景観にも影響しますし、フェンス基礎との取り合いもあるのでコストを考慮しつつ全体のバランスも思い浮かべてプランします。
写真以外の部分になりますが、この敷地の高低差に対して玄関アプローチ、カーポートや自転車小屋、物置などの配置や高さ設定も合わせて重要な検討事項になります。

以上、敷地の高低差について数例の事例で説明しましたが、なかなか講習会とかでも理解していただきづらいのがこの高低差問題です。
ただ、高低差はそのまま「水の行き先」の事にもなりますので、特に冬期間地下1m近くも凍る地域性においては非常に重要な課題と言えます。
まだまだ勉強が足りませんので、もっとわかりやすく説明できるようになったらまた取り上げてみたいと思います。

次回は今回も触れた「住宅の設計レベル」について、ちょっとお時間をいただくかも知れませんが慎重に考えてみたいと思います。












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2018227(火)

これから庭をつくる人のために   (その1)


これから庭をつくる人のために   (その1)

はじめて庭をつくりたいと思った時は当然初めての事なので何をどうしていいのかわからない事だらけです。誰かに聞くにも何がわからないのかが分からないので聞く事もままならないのですが、友人や先輩やお隣さんや会社の同僚やそんなに親しくないけれどもなんとなく話しやすそうな近所のおじさんなどにお庭をつくった経験のある人がいれば相談してみるのもいい事だと思いますが、なかなか分かりづらい事や気がつかない事なんかがあったりしますので、少しでも参考になればと思いこのシリーズを試みますが、5回くらいで終わってしまう予定ですのでお付き合い下さい。

1回目は「道路用地」もしくは「歩道」についてです。

お宅の用地には必ず「道路」が接している事と思います。
その道路の「用地」の形態には場所によって色々なカタチがあります。
簡単に言えば「舗装されている・されていない」「歩道がある・ない」「側溝がある・ない」など他にも色々なパターンがあります。

ここでは特に見かけるケースが多く、コストにも関係する事を数例あげて説明します。

まず、道路は舗装されているけど敷地に接する部分に舗装されていないエリアがある場合です。
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写真の事例の場合は約1m50cm程度の砂利や土の部分が道路用地として敷地に接しています。
ここは道路用地ですので市町村等の所有です。
[市町村の計画により歩道が付く場合も想定されます。その計画等は市町村の道路課等に照会すると教えてもらえますので、把握しておいたほうが良いと思います。近々に予定があるのなら庭工事を後にした方が良い場合もあります。予定が想定されていない場合は何らかの対応を考えた方が良いでしょう]
庭をつくるのは敷地内ですので現況のまま工事を進めると想定した場合ここは空白地帯になってしまいます。
しかし、このままにしておくとやがて草に覆われてしまう事が予想されます。
敷地内のカーポートへのアクセスをスムーズにするならばアスファルト舗装に、来客の駐車スペースにするなら最低でも砕石舗装にと、その部分のコストも外構費として考えておいたほうがよいでしょう。

写真の事例では駐車場とアプローチに関わる部分の道路用地はアスファルト舗装に、それ以外の部分は砕石を50cm入れて転圧し、来客者が駐車しやすいようにしました。資金に余裕があってもコンクリート舗装や石張り舗装は将来的に壊さないといけなくなる事もあるのでやらないのが通常です。


歩道は舗装されているんだけど敷地側の縁石が無い場合。
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縁石が設置されていないのでアスファルトがヨレヨレになってしまっています。車輛の出入りなどがある場合はバラバラになっているケースも見かけます。
通常敷地側には玄関につながるアプローチや駐車場の舗装、庭部分にはフェンスや擁壁等の整備が想定され、そのどれもがこの舗装の際を50cmから1mほど掘り下げる作業が伴います。普通に掘るとこのアスファルトの下にある砂利層が崩れて来て舗装は復旧しなければなりません。住宅の正面になる場所ならばその復旧痕も見栄えに関係しますので復旧を見据えた計画的な施工手順を立てておく必要があります。当然その復旧に関わるコストも外構費に関わってきます。

写真の事例では幅50cmでアスファルトを切断し、工事終了後に復旧しました。見栄えも綺麗に仕上がりました。


敷地境の歩道に縁石が施されており、一見大丈夫そうに見える道路用地の落とし穴。
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写真は両方ともカーポートの出入口に当たる歩道の現況です。
歩道部分のアスファルトが凹んで水が溜った痕跡が確認出来ます。舗装が割れていればそんなに長くない滞水時間かも知れませんので確認が必要ですが、その場合でも凍上の影響で舗装がバラバラになる可能性もあります。
水が溜れば氷も張るので整備の内容や箇所により検討する必要があります。

上の写真の事例では車道縁石の切り下げも伴いましたので歩道の舗装もやり直し問題は解消されました。

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アプローチ階段下の凹みです。
このケースの場合は毎日歩く場所なので改良が必要となります。
改良とは水が溜らないように縁石と歩道の舗装をやり直す作業です。


たまに見かけるケースとして道路構造物の敷地側への越境があります。
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この場合は所有者である市町村の担当課に相談する事をお勧めします。今までの事例ではすぐに対応してくれています。場合によっては時間がかかる事もあるかと思いますので早めの連絡が良いかと思います。

以上、主に道路用地について施工前にはなかなか気づかない事について記してみました。
自分の土地じゃないのになんでお金をかけなければならないのかと思われる事もあるかと思いますがこれが現状です。
すんなり行く場合も多くありますので場所によっての検討・対応が必要です。


次回は「敷地の高低差」について考えてみたいと思います。





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