2014年1月30日(木)
川は流れる


森蔵じゃ。
川は不思議じゃのぉ。
絶えず水が流れておる。
この水が全ての潤いの元になっておるのじゃ。
ありがたいのぉ。
なぜ水が涸れないのかをここで話すよりも、今日は分水嶺(ぶんすいれい)について考えてみようかのう。
川の源は雨じゃが、山の尾根の向こう側に降った雨は向こう側の川になる。尾根のこっち側に降った雨は当然こっち側の川に流れて来るんじゃのぉ。
その分かれ目が分水嶺あるいは分水界と言うんじゃ。
その水が川となって流れ流れて最終的にひとつの川になる。それらをすべてまとめて水系と言うのじゃ。
ここ十勝で一番大きな川は十勝川じゃな。
佐幌川も然別川も音更川も札内川も十勝川に合流してやがて太平洋へと流れていく。
これらの川にあつまる水の流れてくる地域の全てを十勝川流域、全ての川を水系と言うんじゃ。
歴舟川など海に直接流れ込む川はまた別な水域・水系になるという事じゃな。
水系ごとに分水嶺はあるのじゃが、もう少し大きな視点で見ると、最終的に流れ込む海による分水嶺という考え方も出来るんじゃ。規模は日本じゃ。
最終的に流れ込むのが太平洋か日本海かという分け方じゃが細かな部分で難しい面もあるらしいんじゃ。ここはどっちの海じゃ?という場合じゃな。津軽海峡とかがそうらしいが、まあ、いいじゃろ。これを中央分水嶺と言うんじゃ。
さらにもっと大きな視点、世界に目を向けると日本海も太平洋になってしまうんじゃ。
太平洋、大西洋、インド洋など世界の海によって分水嶺を分けると日本は太平洋、韓国も北朝鮮も中国も太平洋、当然アメリカやロシア、南アメリカ大陸などの太平洋に面した国の一部もそれに含まれるんじゃ。楽しいのぉ。.....興味無いかのぉ。。。。。
ここ十勝のこんな山の中の名もない(本当はある)小さな川から世界が見えるんじゃ。素敵だとは思えんかのぉ。。。。
水の大切さは言うまでもないが、庭屋の視点から水を考えてみるとしよう。
これまで多くのお庭をつくらせていただいてきたわけじゃが、水を使ったお庭も数こそ少ないが手掛けさせていただいたんじゃ。一年の半分近くは冬である事と凍結による弊害で内地ほど一般的ではないんじゃが、水がある事での恩恵を目の当たりにして、ぜひもっともっと普及してもいいんじゃないかなとも思ったりするわけじゃ。
実例で見てみよう。

手軽に水を導入出来るアイテムじゃ。
下に小さなタンクが埋まっていて、水を循環させておるのじゃ。「チロチロ」と水の音が心に安らぎを与えるのじゃ。
水は蒸発して目減りするので足してあげなきゃあならんのじゃがのう。

深さのある水鉢や水瓶などは、花壇とはちと違った湿性や抽水植物などを楽しむ事ができて趣があるのぉ。
一方、蹲居(つくばい)手水鉢(ちょうずばち)は和風庭園や茶庭などで手や身を清める作法としての実用性や装飾として用いられるアイテムじゃな。「チョロチョロ」とこれもまた音を楽しむ事が出来るんじゃ。水道を利用する場合や井戸などから水を引っ張る場合があるのぉ。
和風っぽく見えるが洋風なアイテムもあるんじゃ。また、最近のシンプルモダンタイプの住宅には、和のテイストもマッチするんじゃなぁ。

ここまでやるとお金も維持費もかかってしまうが、エッセンスは洋風住宅でも取り入れる事は可能じゃと考えておるんじゃ。
ここで言いたいのは、水がある事で周りの植物のいかに活き活きとすることか。野鳥なんかのバリエーションは確実に増えるんじゃ。これはもうパラダイスじゃ。
なかなか難しい面もあるが少しでも参考になればと思ったんじゃ。

どうやら森蔵の出番は今日で最後のようじゃ。
短い間じゃがおせわになったのぉ。
さいなら。
そうそう、今日は分水嶺の話しから庭の話しになってしまったが、日本神話には分水嶺の神様として天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)が登場するんじゃ。
日本には色々な神様がいるらしいが、それは意味があってのこと。なぜ分水嶺に神様を祭ったのか考えてみるのもいいかもしれんのぉ。
☀ -4/-9
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