就職した職場で　Ｍ先輩に出会った。三歳年上で、とても優しかった。
兄のいない僕にとって　先輩と言うより兄みたいだった。
先輩は車好きで、ラリーをやっていた。まるっこいランサーに乗っていた。
「サファリラリー」で常勝してた　ランサー１６００ＧＳＲだった。
休みの日に、先輩の家にも遊びに行った。車庫の中にパーツがいっぱい有った
。先輩から色々車の事を教わった。「俺、ラリーやってるから、もう太い
タイヤとか履かないから～」と、アルミホィールを譲って貰った。
嬉しかった。就職したてで車の「おしゃれ」なんて夢の夢だった頃に、、、
ローンで太いタイヤも履いた。
仕事が終わってから　僕の車のマフラー取替えとかも手伝ってくれた。
先輩の出るラリーの応援や、お手伝いにも出かけた。
先輩は何台ものランサーを潰したり、谷底に落としてもラリーを続けた。
新しい車が仕上がると（ラリー仕様）深夜の林道にドライブ兼シェイク・
ダウンにも着いて行った。先輩のハンドルさばきは凄く、車一台分の道幅
でサイドターンを決めたり、横に乗っていて楽しかった。
　「姉と結婚してくれれば、」と密かに思っていたが、姉はＯスだったので
あきらめた。（爆）その後僕は同じ職場でＫ先輩にも出会った。Ｍ先輩と
同期の先輩だった。Ｋ先輩から、車をカッコよくする方法を教わった。
Ｋ先輩の車はいつもピカピカに磨きあげられて、当時流行りのカーコンポ
が着いていた。「ＯＯ（僕）もコンポ付けたら？」Ｋ先輩は言った。
「音なら、やっぱパイオニアがいいぞ！」僕は後先考えずにボーナスを
つぎ込んだ。車の中が変わった。高音質のシャリシャリ音を聴き、当時
流行りのデイスコミュージックをガンガン掛けた。「この曲いいぞ！
レコード貸してやる！」。Ｋ先輩からどんどん新しい曲を吸収して僕の
車はどんどん変わった。　その頃踊りに行くようになった。当然女の子
とも知り合いになり帰りの送り足が必要になり　必ず街の近くに車を置いた
。ディスコ帰りの車中でも先ほどのナンバーを掛け　いやがうえにもムード
は最高潮！光るグラフィツク・イコライザーにパワーインジケーター　　　　時にはスローなナンバーを掛け　そのまま海へ　　なんて事を繰り返し
僕の青春は過ぎて行った。Ｍ先輩とＫ先輩　元気かな～。

今日のチョロＱ　Ｍ先輩の乗っていたランサー１６００ＧＳＲ。
特徴的な　Ｌ型テール。
そのランサーも、今や　こんな形に、無くならないだけいいか～。