200727(水)

パパと呼ばれて

日記×703

私、パパと呼ばれています。



セーラがウチにやって来て、犬仲間にセーラパパと呼ばれています。今では犬が側にいる時は、家でも動物病院でもパパと呼ばれています。

慣れると、とてもうれしい。



18年連れ添った、ネコのマイケルと暮らしていた時は、パパとは呼ばれていませんでした。

私が小さい頃から、母親をママ、父親をパパと呼んでいたのですが、残念ながら、パパと呼んでいた記憶がありません。父親の記憶もおぼつかない、幼い頃に父は他界しました。

家の中に父親のいない生活しか知りません。

友達が、「お父さんに叱られる」などと怖がっている様子は子供こころに不思議さと、ちょっとだけ寂しいような、複雑な思いもあったと思います。



今と違って、父親がいない家庭が、しっかりと差別されていた時代。何かあると「母子家庭だから」とか、「父親がいないから」などと平気で言われた時代です。
悪気はないんでしょうけど。
進学や就職にだって少なからず影響した。
当時金融機関には片親の子は就職できないとも言われていました。



どうしてこんな日記を書いた?って言うと、
夕食にカレーを作る準備でスーパーへ行った時、
3歳ぐらいの女の子、ピンクのアノラックにピンクの長靴。言葉を覚えたヒバリのように、お母さんにピーチクパーチク話しかけています。「ママ、これはね…、」お母さんは知らんぷりで買ったものを袋に詰めている。
僕にも子供がいれば、こんな風にパパ、パパ、と呼んでもらえるのになぁ。
そう思ったからです。

生まれて数ヶ月間、毎日お風呂に入れて、大人が疲れて眠りたい頃から泣き出す赤ん坊。授乳の為に、母親は、この数ヶ月間を慢性的な寝不足と戦わなければなりません。抱けば泣きやみ、下ろせばまた泣く。
やがてアウアウと言葉を発し始めると、パパやママと、呼んでくれる日がやってきます。
元気に暴れていたと思ったら、急にぐったりしたり。
ミルクを飲まない、飲んでも戻した。
救急病院に走る事もあります。
そんな時、この子が死んでしまったら…。
小さな命の火が消えてしまったら…。
子を持つパパとママは何時だって胸をきゅっと締め付けられる思いです。


そんな、振り返る事のない日々の過ぎるのが、気付かないほど、子供の成長は早い。眠れない日があったことを忘れてしまうのかなぁ。可愛い盛りの我が子。

「パパ、ママ」そう呼ばれていることがなんでもない、毎日が幸せなのかも。




もしも幼い子を急な病で失う事があったら。

もしも朝出かける時に、元気な声で「パパ、ママ」と呼んでくれていた幼い子を突然の事故で失ったら。

駆けつけた、変わり果てた我が子を前にして、

最後の事切れる瞬間に「パパ、ママ」、そう呼ばれたら。

今の私なら、二度と立ち直れないほど生きる力を失ってしまうだろう。

マイケルが逝く瞬間、最後の力を振り絞って僕を見た気がした。いま思えば、僕は必死になって「ここにいるよ、ここにいるよ…」そう叫んでいたように思います。

息絶えるその時、

「パパ・・・」

そんな風に聞こえた。体の力が抜けて、しばらく記憶が飛んでしまった。


セーラが来るまで、我が家は精気を失った家だったけど、やんちゃ娘は私達を随分慰めてくれたと思う。

またいつか、悲しい別れが来るのだけれど、その日が来るまでは、一生懸命セーラパパでいたいな。

できたら、今日スーパーで見かけたような、可愛い我が子に「パパ」と呼ばれる日が来ますように、神様、僕にもお嫁さん世話して下さい。







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maikyon
私は富山県在住で、知人が帯広に居り、とても親しみを持ってこれまで拝見させていただいておりました。富山の話なども織り交ぜながら、楽しく十勝とお付き合いさせていただこうと思っています。どうぞよろしくお願いします。
年に2~3度、十勝の空気を吸い、十勝サーキットを走り、防風林のある景色を眺めるのがライフワークです。

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