2010614(月)

エゾシカ誕生顛末記④


エゾシカ誕生顛末記④

本州でもすっかり梅雨入りが宣言されたようですね。

近年北海道でも蝦夷梅雨なんて言葉を聞くくらい

梅雨もどきの雨が続くことがあります。

昨年のこの時期は雨続きでした。

明後日は雨予報。

ですが、エゾシカのオスカー君が1歳になります。

ピーちゃんさんはまもなく21歳です。

私の誕生日はまだまだ先です。

こんばんわ。

本日の英会話スクールで聞かれてもいないのに自分の年齢を語ってしまった飼育展示係7です。

気づいたらすっかり長編になってしまったエゾシカ誕生秘話。

というより、7の動揺顛末記と化していますが

本日が最終回です。









たぶん。






では、



本題。



6月6日に無事誕生したBabyちゃん。

翌日の掃除の際、2日目の様子を撮影しようと

近づき、TOPの写真を撮影しました。

寝起きだったのか、ぼやっとした顔でカメラ目線。

昨年生まれたオスカー君はこれだけ近づくと逃げていってしまいましたが、「この子はさすがシンディの子ねぇ」という感じでぼやっとしてました。

その様子をお昼休みに事務所で話していたところ

我らがレッド隊長から

レ「7,つかまえられるか?」

7「あの感じなら大丈夫かと思います」

レ「後々麻酔をかけてチップを入れて耳標をつけるよりも、つかまえられるならやろうか」

7「ラジャ!」      (これも演出です)



ということで、午後一にBabyちゃんの識別に必要な作業をすべくエゾシカ舎にレッド隊長と向かったわけであります。

まずは他のシカさんたちにはエサを食べてもらい・・・

その間に私がBabyちゃんの元へ。

レッド隊長は遠巻きに様子を確認。



レ「捕まらなければいいから。」







7「オッケーです。」




と、Babyちゃんを抱えた一呼吸後




Babyちゃんが大鳴き!


当然といえば当然。

そして、それを聞きつけたシンディ(母)が真っ先に駆けつけ

子を守る母の形相で立ち上がって来るではありませんか。

これも当然。

しかし、こちらとしてもすべきことはしたい。

すかさずレッド隊長が助けに入ってくれ

レ「俺の後ろにまわれ!」

7「はい!」



と、言いつつも

こちらは子鹿を抱え、足場が悪い。

レッド隊長も道具を両手に抱えている。

シンディ(母)の方に分がアリ。


レ「ひとまず出るぞ!」

7「ラジャ!」


その後レッド隊長の援護射撃により

ひとまず南側の獣舎へ避難成功。


いやぁ、エゾシカの恐ろしさはこれまでも体験済みでしたが、あのシートンさんがシカが一番コワイ的な事をおっしゃっていたのが良くわかります。

さて、隣の獣舎に移ったからにはコチラに分がアリ。

Babyちゃんにマイクロチップの挿入と黄色の耳標を装着しました。

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まだ小さいので耳標の重みでスコティッシュフォールドのように耳が垂れてしまっています。

さあ、最後に体重を計測して・・・




して・・・




???




レ「壊れた。」



レ「電池入れ替えたのに・・・」



・・・残念。



ここで作業終了。

Babyちゃんをエゾシカ舎に戻します。

レ「母が来るそうだったらすぐ離していいから」

7「了解!」






捕獲した場所まで連れて行き

そっとBabyちゃんを下ろすと

一目散にシンディ(母)の元へ。

母もBabyちゃんの元へ。


ほっ。


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一安心です。

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授乳も確認。

これで、あとは大きく育つだけだよ。

もう、何もしないから。






振り返ると、

髪が乱れ、泥まみれの7と

やはり泥まみれのレッド隊長。




やはり野生動物はすごい生き物です。

そして、子を持つ母は強いです。





その後の成長の様子
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となりんちのおばちゃんに遭遇する

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父との挨拶。
そしてそれをのぞき見るマチルダさん。

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1週間で早くも大きくなった感じがするこの頃。
ココがいつもの特等席。

残念ながら園路からは見えませんが、時々歩き回っています。

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相変わらず柳をむさぼり食うシンディ(母)。



これにてエゾシカ誕生顛末記

もとい

7の動揺顛末記を終了いたします。
長い間お付き合いいただきありがとうございました。

Babyちゃんは優秀な母に育てられながら大きくなっております。

是非ご来園の際はエゾシカ舎を覗いてみてください。

ただし、シンディ(母)は出産後、警戒してよく檻の側を歩いています。

近くでバタバタしたり、走り回ったり

特に小さなお子さんが近寄ろうとすると

子を守ろうと檻にアタックすることもあります。

どうぞ、そっと観察してあげてください。


おしまい。


この記事のURL2010-06-14 22:40:27

2010613(日)

気分転換に・・・


気分転換に・・・

本日の前振りはネタ切れな飼育展示係7です。

怒濤のエゾシカづくしだったため、

気分転換に他の動物の様子をお伝えします。

画像

このタマゴ。

昨日の朝、産みたてを発見しました。

そう、TOPのベニコンゴウインコさんのタマゴです。

前回同様、まっすぐお宝コレクション行きですが、

このちょっととんがった小振りなタマゴ。

私大好きなんです。

コレクションの中でもグンを抜いてコンゴウインコのタマゴ好きです。

ぐふふ。

一方、エゾシカさんに続くのは君たちか!!!
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フラミンゴさん。

ここ数日夏の陽気になり、巣作りに励んでいます。

しかし、まだ産卵していないため、時々巣を離れます。

すると、他のペアに乗っ取られます。

フラミンゴの世界もなかなかシビアです。


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しばらくぶりに撮影したフタコブラクダは
「ふうてんのボスさん」と化していました。

私、ラクダと緑のコントラストが大好きです。

ボスは動きが俊敏ではないので割と素敵な写真を撮らせてくれます。
ありがとう。


あなたは、何をしているの?きろりん。
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熱心ねぇ。
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そうか、今日は骨付き肉の日だから
後生大事に骨をしゃぶっていたのね。
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あなたは楽しそうね。いこりん。
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今日は暑かったものね。
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今日みたいな暑い日は

ホッキョクグマ舎のブルーと

ホッキョクグマのホワイトの

コントラストが大好きです。


この記事のURL2010-06-13 00:01:36

2010612(土)

エゾシカ誕生顛末記③


エゾシカ誕生顛末記③

本日はもう少しがんばれそうな飼育展示係7です。




今日、名無しのエゾシカBabyちゃんを撮影すべくエゾシカ舎でカメラを構えていたら

「もしかして飼育展示係さんですか?」

とお声をかけていただきました。

「何さんですか?2さんとか・・・」








ココで、ちょっと恥ずかしくなった私。

セブンです!










と答えられず

7番目です

とお答えすると

「セブンさんですか。今ピーちゃんさんに会ってきました」

「毎日見ています」

「東京から来ました。お会いできて嬉しいです」










こちらこそ、ありがとうございます。

ブログを見ていただき、遠くからご来園いただき、

私の方こそ嬉しいです。

どうぞ、ごゆっくりご観覧ください。


ブログを初めて約半年。

園内でセブンを名乗ったのは2回目です。











本題本題。

無事に出産を終えたシンディ(母)は一生懸命Babyちゃんを舐めます。

すると、新入りに挨拶しなきゃと思ったのか思わなかったのか

画像

ワラワラ

画像

ワラワラ

みんな集まってきました。

一瞬だけね。

それからは母と子の空間です。

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お産に疲れた母を優しく見守る?Babyちゃん。

そして、その様子をカメラ両手に見守る私とS君とシルバー大佐。

さらに、その3人を見ていたお客様(子供さん)の一言。

「飼育員の人たち何してるのかな?盗撮?」










7「シルバー大佐、ばれてますよ。盗撮してるの」








ただし、我々もただ盗撮していたのではないのですよ。

出産の記録及び、授乳と起立・歩行の確認を行うべく、

いつまでもエゾシカ舎で、木の陰から覗いていたのです。



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シンディ(母)は優しくBabyちゃんの起立を促してあげてました。

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授乳も確認でき、一安心。
(ちなみに初乳は起立する前に横になった状態で行われました。)


さぁ、頑張って生まれてきたBabyちゃんも一休みしていいよ。







と思っていたのに、


夕方お野菜を与えに行くと


画像

いるし。


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物陰に隠れてないし。








・・・というか、生まれたばかりのエゾシカの赤ちゃん。

口元がコモンリスザルに似ているというか

泥棒顔に見えるのは・・・

私だけ?





もうちょっとつづく。


この記事のURL2010-06-12 23:39:46

2010612(土)

エゾシカ誕生顛末記②


エゾシカ誕生顛末記②

最近めっきりブログでの出番が減ったヤクシカのピーちゃんさん。

いつもお客様に

「あ~!バンビだ!」

とうらやましいお声を頂いています。

私も言われてみたい。

「乙女ですね」と・・・

相変わらず妄想に耽っている飼育展示係7です。

こんばんわ。

昨日は力尽き、"エゾシカ誕生"と言いながら

一度も子鹿は登場せず、

私のテンパリぶりだけをお届けいたしました。

今日こそは!!

子鹿をお目にかけたいと存じます。

ので、お付き合いください。









本題。
(ただし、ここから先は詳細な時間を確認しておりません)

お尻から風船を出したままのシンディ(母)。

エサがなくなるやいなや、再び雨宿り小屋に向かいます。

しかし!!!

ここでタイムリミット!!!お昼休み!!!



7「シルバー大佐、ココに残っていいですか」

シ「わかった。ご飯食べたら交代する」

7「ラジャ!」(とは言ってません。演出です)


1人でエゾシカ舎にてビデオと一眼レフを構える荒技に挑戦する7。

やればできるもんだ。

そうこうしているうちにシンディ(母)が破水。

他のシカ達はなんだなんだと大騒ぎ。

よってたかって匂いを嗅いでいました。

20分ほどするとシルバー大佐が交代要員として現れ、私は急いで事務所へ戻りおにぎりをほおばりました。

続いて、炎天下対策のため

お顔を作り直していると・・・

「シルバー大佐より7さんへ」と無線が入り

「脚が出てきたので近いと思われます。来られますか」とのこと。

画像











・・・あっ・・・っと・・・
「顔を作っています」











とはもちろん答えず

「今から向かいます」

と答え、直しかけの顔に眉毛を書き足し

ボディはあきらめた!!!と心を決め

はるかエゾシカ舎まで駆けていったのであります。








はるか?

わずか?



えぇ、えぇ、


事務所からエゾシカ舎まで数百メートル。


しかし、エゾシカ舎につくなり

「おにぎり出そう・・・」


イカンいかん。

気を取り直して、シンディ(母) に集中集中。

到着してまもなく

画像

出てきた、出てきた

画像

っていうか早っ!

シ「動いているか?」

7「動いてます」






こうしてだれよりも私があわただしくシンディ(母)の無事な出産を迎えたわけでございます。

なんて安産。

おめでとう、シンディ

おめでとう、エゾシカとうさん

おめでとう?畜産大学のKさん。
(見に来てね)





まだつづく。


この記事のURL2010-06-12 23:07:27

2010611(金)

エゾシカ誕生顛末記①


エゾシカ誕生顛末記①

本日健康診断にてお医者様から








「うん、体重はギリギリ大丈夫」









と言われた飼育展示係7です。



みなさん、こんばんわ。







何が大丈夫なの?



去年より痩せたのに・・・


憤りが隠せない今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。



さて、おびひろ動物園のホームページでもお知らせしておりますが外部リンク、6月6日のお昼にエゾシカが誕生し、新たな仲間が増えました。

こちらのブログではその顛末記をお伝えしたいと思います。





6月4日
画像
シンディ(母)のおなかがパンパン。
7はブログで母の様子を伝えようと撮影するも更新せず。


6月6日 8:15
事務所への道すがらエゾシカ舎を覗くとシンディ(母)が群れから離れ、横になっている。
7はいつもと様子が違うぞ、近いかと思う。


6月6日 11:00
エゾシカ舎の掃除に入ると、はやりシンディ(母)が群れから離れ、雨宿り小屋で横になっている。
7はこれは今日か?と今か?とソワソワし始める。


6月6日 11:30
シンディ(母)は横になったり立ち上がったり落ち着かない。
7も同様落ち着かない。・・・が、とりあえずスポットガイドの案内放送をかけてもらうよう事務所に無線を入れる。


6月6日 11:40
エゾシカ舎の掃除を終え、水・乾草を用意し終える。
スポットガイドを聞きにお客様が集まり始める。

6月6日 11:43
7はスポットガイドに先駆け、シンディ(母)の様子を確認しようと獣舎に入る。

!!!!!!!!

7は無線を手に取った。

「7よりシルバー大佐どうぞ!」

「ガ・・ガガ・・どうぞ・・」

「シンディ始まりました。カメラを持ってきてもらえますか」

「ガ・・ガガ・・ガガガ・・了解」





(ホントはもっとクリアに無線は聞こえていました。演出です)


7は思案した。
スポットガイド2分前にしてシンディ(母)の分娩が始まった!
しかし、お客様は待っている。
ガイドをすべきか否か。
ガイドで分娩について語るべきか否か。
あぁ、しかしガイドをする場所からはシンディ(母)の様子が見えない。同様にお客様からも見えない。
(ある意味、これは当然ですが)

7は2分の間に決意した。(ホントか?!)
いつものガイドを行おう。そんなにつるっとは生まれないし。


6月6日 11:45
7はスポットガイドを始めた。





が、シンディ(母)が気になりぶっ飛んだガイドに・・・。
(この日、ガイドをお聞きになられたお客様には本当に申し訳ないです。ごめんなさい。)


6月6日 11:50
カメラを抱えたシルバー大佐を始め、無線を聞いていた職員が集まり始める。
7はなおさら動揺し、テンパり始める。


6月6日 11:55
いつもより少し短くスポットガイドを終了する。
ごめんなさい。
7はシンディ(母)を確認に雨宿り小屋を遠巻きに覗いた。

!!!!!

いない!!!!

振り返るとソコにはエゾシカ一家と一緒にお尻に風船をぶら下げたシンディ(母)がエサを食べていた。
7の動揺ぶりが明らかとなる出来事だった。






つづく


この記事のURL2010-06-11 23:59:45

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