生き物を守りたい(7)


201152(月)

ねことねずみと、にじのはし


4月の連休前、仕事帰りに家路を急ぐと、近くの休耕田の道端で、散歩中の大きな犬が何かを覗き込みました。

そして飼い主は、犬をむりやり引っ張って去っていきました。


犬の来た方に向かって帰るので、何があったのかとそのそばを通ると、みいみいと声が聞こえます。
仔猫だ、とすぐに思いました。

猫は好きです。

だから道端から泣き声のするところを覗き込むと、4匹の仔猫が草が深く生い茂ったところで鳴いていました。
あたりに親らしい猫のすがたは見えません。

すぐに、捨てられたのだろうと思いました。

休耕田や、家庭菜園用に貸し出す畑があちこちにあるこの地域には、たまに猫を捨てていく人がいるのです。

その時は、スルーしました。
私は猫アレルギーを。
子供たちは喘息を持っているからです。

夕方の5時半。大分暖かくなって、日も長くなりました。
もしかして母猫が迎えにくるかも。
もしかして飼い主が迎えにくるかも。

だからスルーしました。

家に帰って食事の支度をしました。
その間、仔猫のことは気にしていました。

支度が終わると、ちょうど上の子が学校から帰ってきました。

仔猫の話をしたら、見に行きたいというので、

「もう居ないかもしれないよ」。

と断りをいれ、下の子も一緒に三人で見に行きました。





仔猫はいました。

最初に見たときの場所からもっと奥まったところに落ち込んだようにうずくまっていて、みいみい鳴いていましたが、子供たちを見たとたん、3匹がいっせいによたよたとこどもたちに向かって歩いてきて、一番歩みのおそいからだの小さい子さえもが、子供の方に向かって歩いてきました。


4匹の仔猫をいったん保護することにして家に連れ帰りました。


家につれて返って庭にそっと降ろしたら、畑仕事をしていた義父は、

「なんで拾ってくるの、あのあたりには猫にえさやってる人がいるのに」

と困惑したような表情で言いました。
おいておいでとも言われましたが、もう真っ暗になっていたせいか、ダンボールをくれました。
仔猫たちをダンボールに入れたら、落ち着いたのか居眠りを始めました。


庭の隅において、これからどうしようと猫を飼っている友人に尋ねました。

「まず病院」

といってももう病院は終了しています。
仔猫たちは、衰弱している様子もなく、急を要する感じでもなかったので、それは次の日にしようと思いました。

友人は電話もくれました。
体の大きさ、様子などを尋ねてくれて、どんなものを与えたらいいのかも教えてくれました。

猫は一度も飼ったことはありませんから、何も準備はありません。

とりあえず、すぐに仔猫の食べるものを買いに行きました。
教えてもらったとおりに子猫にあてがうと、仔猫たちは、ほんのちょっとではありましたが食べました。床に置いた皿から食べるのがあまり上手でなかったので、スプーンで口のそばに持っていくと、スプーンをなめながらもぐもぐと食べました。

その間に上の子の友達が仔猫を見にやってきました。
里親を探そうと友達にメールを送ったら見にきてくれたのです。

可愛い可愛いとなでたり、抱っこしている間に仔猫がうとうと眠ったりとして、1時間ほど仔猫の様子を見ながらそばにいました。
おしっこやうんちも見てあげました。

夜も9時を回ったので、友達を帰すように促し、仔猫たちは箱に入れ、塀と門に囲まれた母屋に隣接している物置の軒下に置きました。

玄関に入れたいとも思いましたが、家に猫を連れ帰ってきたことはまず同居の義両親は好みませんでしたし、私たちもアレルギーや喘息が起きたら大変なので、もうずいぶん暖かい日だったので、風も雨もあたらないような場所においたつもりでした。


家に入ってからは、インターネットで飼い方や必要なものを調べました。
自分では飼いたくても飼えませんから、これから飼い主になってくれる人を探そうと思って、それまでなんとかしようと思いました。


でも。


でも仔猫たちは、皆死にました。
正確には、何かの野生の生き物に殺されてしまったのです。

朝、様子を見に行った下の子の知らせを受けて身体を調べたら、向かって左側の首筋だけに穴をうがったような傷がありました。
身体はもう固くなっていました。

手を合わせながら、彼らのために敷いてあげたバスタオルに兄弟をくるんで、すぐにしかるべきところに持ち込んで処理してもらいました。





時間がたった今から思えば、赤ん坊のような仔猫たちを家の敷地とはいえ、戸外においておいたのは間違っていたと気づいたのですが…。


もしあのまま捨てられていたところに放っとけば、一匹くらいは生き残ったのでしょうか。
もしかして飼い主は迎えに来てくれたのでしょうか。

連れてこなければよかった、
そしたら死ななくてもすんだかも、

と思いもします。




なきがらを預けたら、がっくりして居眠りし、そして夢を見ました。

先日ジャンガリアンハムスターが死んだ話を書いた時、「虹の橋を渡ったのですね」というコメントを頂き、そのイメージが頭に作り出されて、虹の橋をハムスターがチョコチョコ渡っていく夢を見たりしていたのですが、そのときの夢に、4匹の仔猫がハムスターについていく姿が映ったのです。



多分、妄想。
多分、思い込み。
多分、欺瞞。



それでも、ハムスターは仔猫をうまく誘導するにはとても効果があることでしょう。

上手に連れて行ってほしいと、そして、みんなで虹の橋を渡って、あの世で―それがあるとするならば―幸せになってくれることを願っています。



・・・なんとかしてあげられなくて、本当にごめんなさい。



20101130(火)

ツキノワグマ


最近クマについて、ネットサーフィンやら、図書館の書籍の確認などをしていたせいか、息子までそれに感化されて、市の移動図書館から子供向けの、ツキノワグマの本を借りてきた。
彼の学年ではとうてい読めないであろう本。おそらく4年生以上でないと、出てくる漢字にも困難を示すだろう。(一応振り仮名はついてはいるが(笑))
子供ってのは、聞いていないようで、ちゃんと親の話を聞いているのだなあと、すこし怖く、彼なりに気にしていたのだなあと思い、嬉しかったりした。
ツキノワグマ

その名も「ツキノワグマ」。
出版社は偕成者、著者は宮崎学さん、発行年は2006年である。

ブログサイトもございました。
http://tukinowaguma.net/ツキノワグマ事件簿
(小さな世界のお話でも貼り付けてました、私。すごい偶然です)

宮崎学さんは、野生動物をロボット技術を駆使して撮影する写真家で日本の自然をテーマにして、40年以上の撮影をしてきた。カンムリワシが沖縄で繁殖しているのをつきとめたのもこの人だということなので、ご存知の方もいるかもしれない。この方は、野生動物の視点からみた環境についての本「アニマルアイズ」のシリーズを書いてもいる。
まるで日本のシートンだ。
と思ったのはちょっと内緒(笑

この本は、まず小学生を対象としている。将来をになう子供たちに、クマ(おそらく野生動物のほとんどと)との共生を願いを託して、いろいろな過去とは違っている問題点を浮き彫りにしているからだ。

この本で書かれた問題点は、おもに3つ。
ひとつ目は、ゴミ箱について。
ふたつ目は、人の犬の扱いについて。
みっつ目は、お仕置き放縦について。
実際に読むのが一番いいとは思うのだけど、簡単に触れておくことにする。


ゴミ箱について。
この本では長野県のクマの様子を書いている。そして現在では長野では、クマの住む地域にあるゴミ箱は、クマの手が入らないように小さな取っ手のなかにレバーがあってそれを持ち上げる方式になっている、というのはこないだテレビで見た。

このゴミ箱の発想は、カナダにある。
カナダにはヒグマはがすんでいる。ツキノワグマなど足元にもおよばない。いや足元くらいには行くだろうか、とにかく、北にすむものほど、大きな身体をしているというベルクマン(だっけ?)の法則のとおり、大きく力も強い。
それに負けないようにコンクリートで土台を固め、ゴミ箱本体もふたも鉄板がかなり厚く強度がある。そして、ふたを持ち上げてごみを捨てる。
クマは、押し込むことはできても持ち上げる発想がないというところから、カナダの人はこれを思いついたのである。

しかし、日本のゴミ箱は、主なところでもまだ丸かご。または小動物には効果があっても、とてもクマにはかなわないようなひ弱なものが圧倒的に多い。

熊もおいしいものがすきなのだ。そしておいしいものは、人が持ち込んだものが一番。


人の犬の扱いについて。
家の中や庭ではともかく、野良犬や、つながれて居ない犬は、めったに見なくなった。
ところが、私が子供の頃には、いわゆる野良犬というものが居た。野良でなくても、人とのいい関係を持ち、鎖につながれない犬がいた。
一部の犬は、血統書つきのハンター犬でもないのに、人と一緒に野生動物を相手にした。その中には当然熊もいただろう。

自分の縄張りにはいったものを激しく撃退するのは犬の特徴である。だからこそ、熊は犬の怖さ、犬と人が手を組んだ時の怖さをよく知って、あまり人里には出てこなかった。

しかし、今、そんな犬は居ない。
もともと猟犬の種類だったとしても、熊を相手にするような犬を私は日本犬でしか知らない。ダックスフントはアナグマ、ブルドッグは牛、レトリーバーは水鳥。
プードルやダルメシアンやビーグルなんかは、さっぱり分からない。
だからこそ、新世代クマという、犬や人を恐れない世代が出てきた。野生動物は、注意深くこちらを観察していて、人里のものを色々学習している。何が恐ろしくて、何が安全か、人の想像を絶する速さで学んでいるだろうと指摘している。


お仕置き放縦について

奥山に怖い思いをさせて放つ、といっても、いまやいたるところに林道が出来、山を越えたところに別の県の里があったりする。
奥山なんて今の日本にはない。(北海道は別だろうけれど)
そしてお仕置き放縦が怖いのは、そのお仕置きと個体の性格によって、怖がるどころか、復讐をさせてしまう可能性がある点だ。

唐辛子スプレーなどでおしおき、撃退することは、熊が逃げた先でも激しい痛みを長く続かせることになる。長い痛みは人にとっても不快きわまるものではないか。そうすると熊は、時には、そのような仕打ちをした人を思い出して、同じ色の服を着ていたり、同じにおいのするものに対して攻撃を加えようとすることがあるらしいのだ。

確かにそうだ。人がクマのそれぞれの個体の識別ができないように、クマもまた人の個体の識別などできはしまい。熊にとっては、ひどい仕打ちを加えた人という動物は憎むべき対象となる、それだけのことになってしまう。

これは北海道の野生動物研究所外部リンクでも指摘外部リンクしている。

本は、これらの3つの問題を写真入りで解説している。

そして、共生にも触れている。
彼の言い分はこうだ。

「まがりなりにも、クマの行動エリアに暮らしながら自然を売りにして営業活動をしているのなら、とられない工夫をするのが自然と共存していくのが人間としてのルールではないか」という。

この発言の背景もこのようなことである。
長野県では、養蜂や、蜂の育成などをしている。蜂の子も蜂蜜も熊にとってはごちそうだ。

その養蜂業者が、熊も一緒に捕らえてしまおうというので、真ん中に檻を構えて、周囲をぐるりと蜂の巣箱で取り囲んだ。

あなたが熊なら檻に入るだろうか?

否。入らない、これでは餌付けである。
クマの生息地においしいものを撒き散らして、それで十分な対策も打たなければ、熊はしたい放題。もし、この構図が逆で、蜂の巣箱の周りに熊を取るわなを仕掛けたら、とか、電気を流す簡易柵を設けていたら、くまは近寄れない。
そしてこんな簡単な警告で熊は立ち去っていく。


今までのやりかたはこうだから、過去の事例にならえばいいのだと私は思っていた。
里山を作り、ハンターを育成したり。
でも、野生は確実に、進歩、進化している。
私たちに今必要なのは、実は自分たちが自然を甘く見ているということに気づき、そこから、事象を並列させ多元的に物事を考え迅速に行動に移す、思考回路の変化かもしれない。

あーつまり。
ひとつのアイデアを実行する時、人の視点と、もし自分が熊だったらとか、子供連れだったらとか俯瞰にたってみるとかいうことの、あくまでもそういう意味合いです。



20101120(土)

乞教


MIXIから見つけたニュース。
ちょっと調べたら、毎日新聞のHPでものっていたので、リンクを張ります。
毒ガエル:石垣島で繁殖 イリオモテヤマネコがピンチ外部リンク

沖縄県、イリオモテヤマネコのすむ島に、毒をもつヒキガエルが繁殖し、獲物として捕獲されることで、その島の動物を殺しているわけで、そのために環境省が対策として、駆除を行うことにしたのですね。

命が危ぶまれている動物は、記事から読むと、カンムリワシ、イリオモテヤマネコ、島民の飼い犬・・。

サトウキビ畑を荒らすコガネムシを駆除するために南米から日本に持ち込まれたのだけど、それが今は、望んでない方向に進んで行っちゃった。
しょうがないよね、生き物なんだから。

たまあに思うことなんだけど、こういう経済活動優先の事象が、本来の自然を脅かしていると感じることがまま、ある。

ソウギョ、アフリカマイマイ、アメリカザリガニ・・・。

経済活動のグローバル化は、地球を開発しすぎて砂漠しか作らない、漫画「火の鳥」の望郷編のチヒロという名前のロボットたちの活動にも似ているとと感じたりする。

肥大した欲は、毒をため込んでいったいどこへ行くのだろう。

以下はMIXIよりの全文引用。

*****
沖縄県石垣市の石垣島で、南米原産で猛毒を持つオオヒキガエルが繁殖し、生態系への影響が懸念されている。西に約15キロ離れた西表島でも生息が確認され、カエルも食べる同島の特別天然記念物・イリオモテヤマネコにも脅威だ。このため環境省は、繁殖した石垣島で島民からハンターを募って捕獲作戦に乗り出した。環境省が外来生物駆除に市民の手を借りるのは石垣島だけといい、毒ガエルとの攻防が繰り広げられている。【関谷俊介】

 石垣市の環境省石垣自然保護官事務所によると、オオヒキガエルは1978年、サトウキビの害虫駆除のため十数匹がハワイから沖縄県の大東諸島を経て石垣島に持ち込まれた。

 当初はサトウキビの害虫、コガネムシの仲間やムカデの駆除に重宝された。だが、動くものは何でも口に入れる習性があり、クワガタやホタル、絶滅危惧(きぐ)種のセミ「イシガキニイニイ」も餌食(えじき)に。現在は島内に3万~5万匹生息していると推定されている。

 ◇飼い犬がくわえたまま死ぬ

 体長は15センチほど。体を圧迫されると、目の後ろにある耳腺(じせん)から猛毒を出す。海外では口に毒が入った人が病院に運ばれた例もあるという。石垣島では飼い犬がこのカエルをくわえたまま死んでいるのが見つかったり、特別天然記念物のカンムリワシがくわえて飛び去るのが目撃されている。

 約10年前から西表島でも度々見つかっている。船に入り込んで運ばれたらしい。

 05年に飼育や持ち運びが禁止される特定外来生物に指定され、環境省は「石垣島の個体数から減らそう」と捕獲に乗り出した。3年前から石垣島民約80人を「ハンター」に委嘱。島内約10カ所に回収ボックスも設けた。夏場の約1カ月には捕獲キャンペーンを実施し、期間中、捕獲数や大きさを競って表彰するなど、あの手この手で捕獲作戦を展開。1年目の捕獲数は約2500匹だったが、今年は約6500匹を捕まえた。

 毎年最も多く捕まえる名ハンター、花き農家の喜友名(きゆな)茂さん(58)は「十数年前から増え続けてきたが、今年は昨年に比べて減ったように思う。続ければかなり減っていくのでは」と手応えを話す。

 ◇新たな“外敵”も

 石垣島では、さらに新たな“外敵”も問題化している。東南アジア原産のシロアゴガエルが07年に石垣空港周辺で確認された。無毒だが、今では全島に生息域が広がる勢い。体長約5センチと小さくて捕獲が難しく、石垣自然保護官事務所はワナを製作中だ。

 事務所は捕獲の参考にと、オオヒキガエルとシロアゴガエルの鳴き声を録音してフリーダイヤル(0120・44・9696)で公開している。事務所の勝部五葉(いつは)さん(27)は「島民に捕獲作戦に参加してもらうことで外来種への意識が高まれば。石垣島周辺の離島で見つけた場合は連絡を」と話している。連絡先は同事務所(0980・82・4768)。

*****

ちなみに、「ハンター」という記述がありますが、この場合の駆除ハンターは、「わな」です。
わなも資格が要って、現在その免許保持者は、地味に増えているそうです。



20101030(土)

トラの悲劇


トラの悲劇

特に定期新聞購買をしていない私の職場に、珍しく新聞がおいてありました。
それも、この記事の乗ったページだけ。そこにうつったトラの顔に引き込まれて、この記事を読みました。

トラ倍増サミット
毎日新聞 2010年10月25日(月)夕刊

寅年の22年までに、世界のトラの数を約7000頭に倍増させる。
 ロシア、インド、中国などドラが生息する13カ国や国際機関が参加する保全のための国際ネットワーク「グローバル・タイガー・イニシアチブ」が11月、ロシアで初めての「トラサミット」を開く。
 名古屋市の国連生物多様性条約代10回締約国会議(COP10=名古屋会議)でも28日に関連するイベントを開き、開発や密猟で絶滅の危機にあるトラの保護を訴える。イニシアチブに出資する世界銀行のケシャマ・バルマ担当局長は「トラの生息地はこの10年間で40%減った。厳しい現状に関心を持って欲しい」と話している。

 トラは食物連鎖の頂点に立ち、シカなど草食動物をえさにして数を調整する役目を果たし、森林の生態系を維持するとされる。20世紀初頭、アジアとロシア極東で10万頭いたといわれるトラは、農地への転換や、道路建設などで森が破壊され激減。毛皮や漢方薬の原料となる骨を目当てにした密猟が追い討ちをかけ、現在は約3500頭と推定されている。ワシントン条約で国際取引が禁止されているが、現在も密猟や密輸は後を絶たない。
 国境にトラの生息地が集中しているため、国を超えた対応策を講じようと世界銀行などが出資し、ネットワークを設立。絶滅を防ぎ、今後12年でトラの数を倍増させる目標を立てた。
 ロシアのサンクトペテルブルグでのサミットは各国の首脳らが参加。トラの不法取引を防ぐための監視体制の構築や、生息地を保全しながら森林を計画的に開発する仕組みを取り込んだ「世界トラ回復プログラム」の合意を目指す。

 野生動物の不法取引を監視する団体「トラフィック」のスティーブン・ブロード事務局長の話
30年前からトラの保護の必要性が訴えられてきたが、国家間の連携ができていなかった。今回はロシアや中国のような大国と、他の国が協力できるかどうかにかかっている。各国の首脳が集まることで、トラを商品として消費してはいけないという世界の強いメッセージになる。


で・・・COP10名古屋会議での争点のひとつに、先進国が発展途上国(または後進国)から、「医薬品の元となる動植物などの遺伝資源の公平な利用と利益配分に関する問題」があって・・・

えーと、つまり。

いわゆる発展途上国は豊かな自然に恵まれたところで、そこには先進国にはない、貴重な遺伝情報をもたらすサンプルがあるわけだ。
特に南アメリカは植物の宝庫だし、北アメリカはユーラシア大陸とは違う動物相があったり。東南アジアは密林があって、それが生き物をはぐくんでいる、と。

で、そういうサンプルを先進国に輸出することで利益を得ていた部分があるわけだ。でもDNAの研究ってのは実はすごく進んでいて、遺伝子情報ってのは複製修復が出来、(※1)その技術を応用すると、必要な部分は合成できるようになったので、先進国ではもういらないと言い出した。
ら、その今後発生する利益を分けろというのがあるわけで、その分けられた利益で自然保護をするというのだ。

まあ、そのあたりは、なんとなーく、わかる。

でもそれを植民地時代にまで遡って、そこから配分しろといっているらしい。

こうなってくると、は?って思ってしまう。

しかも先進国も、決して、ただで搾取したわけではなく輸入して、その合成技術を確立するまでには、莫大な資金を投入しているのだから、と譲らない。

日本では菅首相が、今年から3年にわたり、1620億円(20万ドル)を支援するって宣言してた。1年間で540億円の支援・・・(専業仕分けで切り詰めるより大金じゃないの?)
今、何か近いものがないかな~って調べたら、夕張市破産の負債額と一緒の額面だった・・・。

まあ、このあたりは、正直私は政治バカなんで、「は~~?そうですか、まあ支援も仕方ないと判断したならねえ」と首をひねりながらも、「でも無駄遣いはしないでね」というくらいになってしまうんだけど、ショックだったのは、スティーブンの言った、トラを商品として消費してはいけないということ。

とっ・・・トラの消費って。(゜д゜;)

自然ってのはいろいろな場面で人に利益をもたらすけれど、それが利権を生んで、そのために、環境破壊になったり環境保護になったり。
その利権争いに巻き込まれた生き物は、自然の流れというよりは、「人に利益を与えるために生かされたり殺されたりしているのだな」という見てみぬふりをしていた部分をあからさまにしたようでもあって。
それを悪いとか、良いとかいうことは、私にはできない。
けど、欲を膨らませすぎないといいなあって思ったりはした。

で、ここで最初のトップ画像の話になるのですが、(画像が悪くてすみません)ユーラシア大陸の東側一帯に生息していたトラはいまやロシアの一部と、東南アジア、インド、ネパールなどの一部にいるのみ。

加藤清正がトラ退治をしたのは、朝鮮出兵のときだったはずだから、あの頃には韓国にもトラがいたんですね。



※1そこについては非常にややこしいので、後から別記事にしてみます。でも読みたい??



20101029(金)

日本のレッドデータアニマル検索


今日まで、名古屋でCOP10という生物多様性条約のための会議が行われていたせいか、あちこちの報道で動物の話が出ています。

その前に、COPの意味がわからないで四苦八苦してる私ってなんだい・・・今勉強中です

そんな中、外国でのレッドデータの分類を知らないとあかんのか、と思うことがあったので、あちこち検索をかけていたら、このようなサイトを見つけました。


レッドデータ検索システム外部リンク
とりあえず、都道府県別のデータが見られるものをリンクしますね。

日本全国の動物について、どんな生き物の生息が危ぶまれているか知ることが出来ます。

まだ哺乳類しか見ていないのですが、どの県でも、絶滅を危ぶまれていたのは、意外な事にコウモリでした。
(もちろん他にも居ましたよ、トガリネズミ類とか)


私の住む、このあたりでは、夕暮れ時になると、鳥と入れ替わるかのように飛び始めます。

それは知っていたけれど、そういわれれば、あまりに普通すぎて地味すぎて、どんな名前のついたコウモリなのか知りませんでした。

宵闇の中を、人に聞こえない声で鳴きながら飛び回り、朝になると、いなくなる。
朝になったらどころではなく、種としての存在すらもなんだか危うい。

・・・気がついたら、いつの間にか居なくなっていた。そういう、居なくなり方はとても悲しいです。



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