2010年12月30日(木)
つらら
むしポエット×4
「あのつららはオレが前から目をつけてたんだ。オレのつららだ」
トタン屋根のボロ屋の立派なつららを指さし、ケン坊が言ったっけ。
つららは不思議とぼろい家に立派なやつができる。
長く太く、地面まで育ったつららは、もう小学生の僕らには手が出ない大物だ。
つららは先っぽがとがってないと、その価値がない。
いいころあいのつららがあった。
手の届く高さ。
先がとがってる。
透明。
そして、きれい。
つららの根元は、太いの、板のように扁平なの、いくつか合わさったような凸凹なの。
どれもいい。
そしてきれい。
ぼくらは、つららをとった。
きれいに根元からとれるかどうかが勝負だ。
おれた時の衝撃で、先っぽがとれてしまわないかが、勝負だ。
大丈夫だ。ちゃんと氷が落ちてこないか注意はしてるのさ。
手頃なのがとれた。
僕らは先っぽをペロペロして、さらにとがらせる。
ツバで潤ったつららの先は、透明で、きれい。かっこよかった。
僕らはそれで、チャンバラをする。
つららの剣と剣が、最初にぶつかった時点でつららの先は折れる。
さんざんペロペロして、針先のようにとがらせたつららが、すぐさま折れるのだ。
だけど、僕らはチャンバラをする。
すぐ折れるのを知っているのに、
チャンバラをする。
そうだ。楽しみがあったんだ。
昨日の学校の帰り道、
つばをつけて
ツルツルぴかぴかにした雪玉を
あの電柱の近くに埋めておいたはずだ。
目印にしていた、雪の上に書いた○の印は、
サラっとつもった雪で、どこにあるのだかわからない。
不思議と昨日かくして、凍らせておいた雪玉はみつからない。
さんざん探して、みつからない。
だけど、みつかったことがあった。
それは、僕の期待していた氷の玉ではなく、
昨日埋めた時よりも、見劣りする玉だった。
これ、ぼくのじゃない。
ぼくのしらない誰かが、ぼくの隠し場所の近くに埋めたものだ。
きっとそうだ。
つららは、ボロい家のつららが立派だ。
今の僕の家のつららは、町内で一番立派なつららに育っている。
「つらら」 むし虫堂
小学校の帰り道
ぼくら3人 横並び
つららをなめて歩いてた
すれ違うおばさん
ばっちい、汚い、やめなさい
かあさんも
屋根につもったいろんなチリが
つららの中に入ってる
大人は頭で考える
笑わせるな
僕はこんな近くで見ている
舌で感じてる
こんなに透明で
きれいだ
僕らは知っていた
つららが汚いなんてウソだってことを
だって僕はみてる
ありのままを
そして
つららはきれいだ
どんなにかじかむ寒い日も
つららをなめてあるいてた
甘い味はしない上
手袋つめたくぬれてくる
だけどそれでもつららをなめる
きれいだから
僕らはみていた
ありのままを
そして
つららはきれいだ
僕は見ている
こんなに近くでなめている
だから
知っている
つららはきれいだって
自分を信じてるんだ
******************
スマイルガーデンさんの「あるがままに」を読んでおもいついた詩です。
トタン屋根のボロ屋の立派なつららを指さし、ケン坊が言ったっけ。
つららは不思議とぼろい家に立派なやつができる。
長く太く、地面まで育ったつららは、もう小学生の僕らには手が出ない大物だ。
つららは先っぽがとがってないと、その価値がない。
いいころあいのつららがあった。
手の届く高さ。
先がとがってる。
透明。
そして、きれい。
つららの根元は、太いの、板のように扁平なの、いくつか合わさったような凸凹なの。
どれもいい。
そしてきれい。
ぼくらは、つららをとった。
きれいに根元からとれるかどうかが勝負だ。
おれた時の衝撃で、先っぽがとれてしまわないかが、勝負だ。
大丈夫だ。ちゃんと氷が落ちてこないか注意はしてるのさ。
手頃なのがとれた。
僕らは先っぽをペロペロして、さらにとがらせる。
ツバで潤ったつららの先は、透明で、きれい。かっこよかった。
僕らはそれで、チャンバラをする。
つららの剣と剣が、最初にぶつかった時点でつららの先は折れる。
さんざんペロペロして、針先のようにとがらせたつららが、すぐさま折れるのだ。
だけど、僕らはチャンバラをする。
すぐ折れるのを知っているのに、
チャンバラをする。
そうだ。楽しみがあったんだ。
昨日の学校の帰り道、
つばをつけて
ツルツルぴかぴかにした雪玉を
あの電柱の近くに埋めておいたはずだ。
目印にしていた、雪の上に書いた○の印は、
サラっとつもった雪で、どこにあるのだかわからない。
不思議と昨日かくして、凍らせておいた雪玉はみつからない。
さんざん探して、みつからない。
だけど、みつかったことがあった。
それは、僕の期待していた氷の玉ではなく、
昨日埋めた時よりも、見劣りする玉だった。
これ、ぼくのじゃない。
ぼくのしらない誰かが、ぼくの隠し場所の近くに埋めたものだ。
きっとそうだ。
つららは、ボロい家のつららが立派だ。
今の僕の家のつららは、町内で一番立派なつららに育っている。
「つらら」 むし虫堂
小学校の帰り道
ぼくら3人 横並び
つららをなめて歩いてた
すれ違うおばさん
ばっちい、汚い、やめなさい
かあさんも
屋根につもったいろんなチリが
つららの中に入ってる
大人は頭で考える
笑わせるな
僕はこんな近くで見ている
舌で感じてる
こんなに透明で
きれいだ
僕らは知っていた
つららが汚いなんてウソだってことを
だって僕はみてる
ありのままを
そして
つららはきれいだ
どんなにかじかむ寒い日も
つららをなめてあるいてた
甘い味はしない上
手袋つめたくぬれてくる
だけどそれでもつららをなめる
きれいだから
僕らはみていた
ありのままを
そして
つららはきれいだ
僕は見ている
こんなに近くでなめている
だから
知っている
つららはきれいだって
自分を信じてるんだ
******************
スマイルガーデンさんの「あるがままに」を読んでおもいついた詩です。
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