200837(金)

久しぶりのご対面


久しぶりのご対面

今日は、以前ブログで予告していました

「ラクダの久しぶりの同居」をこころみました。


今回は、オスとメスを分ける柵の出入り口を広げて、

そこから、オスをメス側に移動させて、同居させるのが目的です。


 
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ですが、すぐには入り口を通ってはくれません。


 
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オスの『ボス』の大好物の「おから」でこちらに引き寄せます。


 
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なんとか、こちら側にきてくれました。



ですが、すぐにはうちとけない様子です・・・

 
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まるで、メスの『チビ』が初めておびひろ動物園にきたときのようでした。



ある程度、こちら側にも慣れてきた「ボス」は、少しづつ動きだしました。

 
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でも、まだ 「チビ」 のもとにはいけないで、

周辺の 『におい』 をかいで、メスの存在を確認してるようです。



なんとか、ここまで近寄れました。

 
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ですが、お互い後ろ向き・・・・



場所を変えて、広い方に来ました。

 
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「ボス」は もう「チビ」のことがかなり気になるようです。



気になって近寄っていきますが・・・

 
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「チビ」は嫌がって逃げちゃいました・・・

 
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結局、今日の「ボス」は寂しく部室に戻ります・・・・

 
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去年の6月に旭山動物園からきてくれた、メスの『チビ』

この「チビ」は『ブリーディングローン(繁殖のための動物の貸借)』という、

「動物園同士の協力で飼育下での繁殖を目指そう」という目標で、

来てくれたのもあるのですが、

気持ちとしては「動物もひとりぼっちは寂しいよね」

「『命の継続』は自然の本来の姿だよね」という、思いで行いました。



「ボス」の方は「チビ」が気になってしょうがないようでしたが、

「チビ」は近寄ってくる「ボス」が嫌だったようです・・


逆に「ボス」が見えなくなると、心細くなるのか、

「チビ」はいつものように、しきりにその姿を探してましたが、

今日は、ちょっと まだその時期ではなかったようですね。


またこれからも何度か、ラクダたちの様子を見ながら同居させたいので、

これからも気長に このラクダたちのことを気にしてみてください。


この記事のURL2008-03-07 18:56:32

200836(木)

水洗いを・・・しました!


水洗いを・・・しました!

今日の内容は「飼育係1」の内容にかぶせてみました!


今朝は昨日の朝よりも温かく感じたので、

思い切って朝から水洗いをしてみました。


それも、「飼育係1」の担当している「ホッキョクグマ舎」を!

「水洗いはしなくていいよ」と言われてはいても、

こう気温が温かいと、飼育魂が うずうずして我慢できません。


ちゃちゃっ、と洗うと・・・ あら、きれい。


でも、飼育の時間の都合上、さらっとしかできなかったので、

残りは「飼育係1」にバトンタッチです。




 そして、、園内を歩いていて、ふと 横を見ると・・

 
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以前は、全面雪と氷に覆われていた川にも流れが見えるようになりました。


 正門の前も・・

 
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雪がとけ、その下から芝生が顔をだしてきました。

これから春、夏になるにしたがって

だんだんと緑が濃くなってくるんでしょうね。


 そして、建設中の「新サル舎」は・・

 
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動物たちが外に出るときのオリの枠ができました。

こちら側が、チンパンジー側のオリです。


 そして、反対側から見ると・・

 
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リスザル用のオリで、真ん中がマンドリル用のオリになります。

こちらも着々と進んでいるようです。


 さて、午後になり、ホッキョクグマの「ピリカ」の様子を見に行くと・・

 なんだか、、ゆっくり、、慎重に階段を降りています。

 
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「夜になっても水が残ってると凍っちゃうかな」とは、思いましたが、

さすがにまだ水が凍るような気温ではないはずですが・・


久しぶりに水洗いで、ちょっと変わった様子になったので

用心でもしているのでしょうか?



 さて、最後に・・


 今日の問題作・・・


 
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 屋根の上の、雪を食べる「ユキ」です・・・ あれ?


この記事のURL2008-03-06 19:19:18

200834(火)

アメリカバイソン


アメリカバイソン

おびひろ動物園の中でも知名度が高い『アメリカバイソン』です。


私は勝手にそう思ってるんですが、

なぜ知名度が高いかというと・・・


道路から見えるからです!!


子供の頃、車の中からバイソンを見ては、

「見えた 見えた」とはしゃいでました。


ですが、このバイソン、かなり好き嫌いが分かれます!


   
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私は、以前この「アメリカバイソン」を担当していたので好きですが、

だいたい「好き」が4割、「嫌い」が6割くらいかなぁ…と感じてました。



またまた、話が長くなってきそうなので、ここで個々にご紹介します。


まずは、オスの『ドルトン』

 
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2001年 8月 12日 生まれです。



つづいて、オスの『たいよう』

 
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2002年 5月 23日 生まれです。


このオスの2頭はなかなか見分けるのが難しいです。

ならんでくれたら、ちょっとだけ「ドルトン」の方が大きくて、

「ドルトン」はなんとなく頭の上の髪型(?)が真っ直ぐです。

でも、微妙なので慣れていないと見分けるのは難しいです。



続きまして、メスの『ステッファー』です。

 
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1993年 7月 1日 生まれで、「ドルトン」のお母さん、

「たいよう」のおばあちゃんで、

現在飼育している5頭の中では一番の高齢になります。

ツノが片方短いのが特徴です。


続きまして、メスの『レベッカ』です。

 
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1997年 8月 25日 生まれです。

メスで両方ツノが長いのは「レベッカ」だけです。


最後に『メアリー』です。

 
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2001年 6月 3日 生まれで、「レベッカ」の子です。

私が担当していた時に、ツノが両方とも短くなってしまいました。


全部見ていただくとわかるのですが、まさに『バイソン一家』です。


現在は、この「バイソン一家」の中で繁殖してしまわないように、

オスとメスを分けて飼育しています。


なので、2頭でいるのが「オス」で、3頭でいるのが「メス」になります。

アメリカバイソンに興味のわいてきた方は、

次のご来園のさいには、どの個体が誰(?)か、気にしてみてください。



結局、、かなり長くなってしまいました・・・

最後まで、見てくださった方、ありがとうございます。


この記事のURL2008-03-04 19:10:39

200831(土)

雪の降ったあとに


雪の降ったあとに

雪が降った後に残るものといえば・・

まずは、やっぱり雪です。


そして、動物園には 『 足あと 』 も残ります。


動物の「足あと」は 『 アニマルトラック 』 ともよばます。

でも、使い慣れないので・・


今日のブログの中身は「ラクダの足あと」です。

 
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私がラクダの担当者なので、

いつもラクダばかりで申し訳ないのですが・・


今日も、ラクダを選んだ理由はそれだけではありません。


ラクダの足あとには、砂漠という特殊な環境で暮らすための

ある特徴が現れているんです。


それは、足あとの形です。

  
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ラクダは蹄(ヒヅメ)のある動物で、

ウシや、シカなどと同じ、ヒヅメの先が2つに分かれた、

『偶蹄目』にあたる動物です。


ですが、ラクダの足あとは先端が割れていて、

その下のほうは丸味を帯びた形になります。


それは、砂の上を歩くときに、足が砂の中に沈みにくいように

足の裏に柔らかな「脂肪のかたまり」があります。

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その足の裏の脂肪のかたまりが地面についたときに、

丸く広がって、地面につく面積を大きくすることにより

砂の中に足があまり沈まなくなり、砂の上でも歩きやすいのです。



ラクダだけでは物足りないので・・


別の動物の足あとです。

 
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さて、何の動物の足あとでしょう??

3本の指の間に、ヒレがあります・・



正解は、フラミンゴ です!

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実は、とっても難しい問題でした。

フラミンゴが、水鳥だということはわかっていても

水の中に立っていることが多いので

ヒレがあるかどうかなんてあまり気にしませんよね。


フラミンゴのヒレには、

湖底などの柔らかい土の上でも足があまり沈まないでいられる、

という機能もあるようです。

そう考えると、ラクダ足の機能となんだか少し似ていますよね。


さて、次は・・

   
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また、水鳥です。

でも、フラミンゴよりもかなり大きな足あとです。



正解は、モモイロペリカン でした!

   
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体の大きさに合わせて、足あともとても大きいです。


最後に、問題だけを出したいと思います・・

この足あとは何の動物の足あとでしょう?

 
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正解は3月4日にコメントの中でお知らせします。


ヒントは、私のブログの中でも出てきたことのある動物です。

隣に見える長靴の大きさも参考にして考えてみてくださいね。


この記事のURL2008-03-01 18:13:42

2008228(木)

アライグマが教えてくれたこと


アライグマが教えてくれたこと

突然ですが、

私は「 かわいい動物 」は好きですが、

「 動物を 『かわいい』 という 」 ことが嫌いです。


そんな、少し変わったことを思うようになったのは

『アライグマ』を飼育してきたからだと思います。


 
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始めて飼育係として「アライグマ」と一緒のオリの中に入ったとき、

先輩の飼育係に「アライグマ かわいいですね」と言ったのを覚えています。


でも、すぐにその言葉はいえなくなりました。


 
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『アライグマは、可愛くて、安全な動物』だと勘違いしていたからです。


私が想像していたアライグマと、現実のアライグマとでは、

性格が全く違いました。


その勘違いの原因のひとつは、私が子供の頃に見ていた

「アライグマが出てくるテレビ番組」だったと思います。


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アライグマは、そのテレビ番組が放送されていた頃に、

『ペット』として外国から輸入されてきましたが、

その後、アライグマを山などに放す飼い主があらわれてしまいました。


それも、日本各地で、、大量に・・・


その結果、アライグマは日本各地の野生下で繁殖し、

エサとして農作物なども食べて、畑を荒らすようになり、

『外来種』といわれる『害獣』になってしまいました。


アライグマはただ自然の中で暮らしていただけなのに

なぜこのようなことになったのでしょう??


それはおそらく、アライグマを山に放した飼い主の方たちは、

私と同じように、『アライグマ』を勘違いしていたのだと思います。



テレビなどの「メディア」は、見てもらうための内容を作ります。

そして、より多くの方たちに見てもらうために、

視聴者が見たいもの、好みに合うものを中心に放送します。


動物の場合は「かわいい姿」や「生まれてすぐの頃」、

または、動物を「擬人化」したり、気持ちを勝手に言葉にしてみたり・・・



そして,その偏った情報が私たちのもとに届けられ、

偏った動物のイメージを多くの人が持ってしまう結果になるのです。


事実を伝えなくてはいけないはずの「ニュース番組」なども

動物を扱うときはだいたいそんな感じです。

『野生動物』と『ペット』その違いを伝えることはほとんどありません。


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動物園に来ていただいた方たちに楽しんでもらうため、

私も、多くの方たちが望む「動物のかわいい姿」を見せたい・・

という気持ちも本当はあります。


ですが、これ以上「アライグマ」のようになってしまう動物を作らないため、


そして、私たち人間と、野生動物が共存していける未来に向かうためにも


私は、動物を 『かわいい』 ということが嫌いなんです。


 
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この記事のURL2008-02-28 19:43:54

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飼育展示係 11
別名、悩める営繕班長です。

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