2 中国 in China(4)


2020115(水)

内モンゴルの料理事情


内モンゴルの料理事情

 内モンゴルの料理はモンゴル文化そのものだ

 現在の内モンゴルは中国の自治区の一つだが 文化は歴史的なモンゴルそのもの。食はもちろんモンゴル流で 中国の影響が多少はあると思う。食材は広大な草原で生産される羊肉・ミルク・小麦が主体。羊肉はスライス・焼肉ではなく 丸ごとロースト・塩漬け・燻製保存食とするのが基本のようだ(集落ごとに専用の施設がある)。ミルクはミルク茶・バター・ヨーグルトとして 小麦は主に円盤状のパン・万頭として用いられる。
 レストランはモンゴルテントの個室が多く 人数に応じて小型から巨大なものまである。食事に招待された場合 まず歓迎の意味でマフラーのような青い布を肩に掛けてもらい 強い酒で乾杯する(お出迎えの時に握手をするのと同じ意味と思う)。
 最初はミルク茶スナック(乾燥麺)と小麦パンが出された。(朝食はこのような軽いもので済ませるのが普通だそうだ)。次に羊肉スープ・野菜・万頭などがたくさん出て来て 中国風円卓料理と似たスタイルだった。もちろん羊肉のリブローストなども付いてきた。確かに高脂肪の料理もあるが モンゴル茶のせいか脂っこさは感じなかった。
 何れもアルコールを飲みながら 時間をかけて十分な量の食事を楽しめた。また始めからミュージシャンが加わり民族音楽で場を盛り上げてくれた。この時は幸運にもホーミー(モンゴルのヨーデル)を聞くことができた。一度体験するのをお勧めします。

追記:この時の宴会はごく普通のもので(私が特別なお客というわけではない) 昼食時から大宴会を始めることもあるそうな。一体いくらかかるのか全く不明だが 大いに楽しめた。中国でも特に内モンゴル出身者はアルコールが強いと言われるが 納得・脱帽でした。



2020113(月)

モンゴル茶の歴史


モンゴル茶の歴史

 中国の内モンゴル自治区オルドス市(Ordos)のスポハン草原の宿泊施設(写真上)にモンゴルミルク茶の解説(中国語)があったので 知人に英訳してもらい それを日本語に抄訳しました。理解に役立てば幸いです。(based on English version of Note on Mongolian Milk Tea at Supohan Grassland, translated by Ms. L. Xue, July 16, 2019)
 栄養価:モンゴルミルク茶に使うレンガ茶(磚茶 磚はレンガの意味:写真左)は タンニン アミノ酸 香油 カフェイン ビタミンC D B等の栄養が豊富で 強心 利尿 造血 骨形成 血管強化の作用がある。これらの薬効の他 脂肪を溶かし消化を促進する。そのためレンガ茶はモンゴル人の生活には欠かせない。お茶を毎日飲むと 動悸 めまい 食欲不振 不眠が改善される。ジンギスハン時代のモンゴル兵士は行軍の際に必要以上の穀物は携帯せず レンガ茶で代用した。
 発展の歴史:理由は明確ではないが 歴史的にモンゴル人はレンガ茶を好んできた。清朝康熙時代(1700年前後)には 本土の商人がモンゴルに入り 毛皮などの特産品を 米麺 布 レンガ茶などと交換していた。少額の場合はレンガ茶で支払われた。またレンガ茶が高騰した時には 商人は利ザヤを稼ぐためにより辺地に入ったので商圏は拡大した。当時は羊とレンガ茶の交換も行われ 贈り物で羊の代りにレンガ茶を使う習慣が生まれた(写真右)。このように草原地域ではレンガ茶が通貨の代わりにもなったが その後は飲み物としての役目に戻り 現在に至っている。
 食文化:レンガ茶は遊牧民に不可欠で 塩味のミルク茶はモンゴル人の伝統的な飲み方である。遊牧地域では「1日にお茶3回と食事1回」と言われている。主婦が朝最初にする仕事は 家族がその日に飲むミルク茶を作ることである。モンゴル人は熱いお茶が好きで 朝は軽くチャーハンを食べながらお茶を飲み 残りはいつでも飲めるように暖めておく。夜は家族そろった晩餐で ミルク茶は朝 昼 晩の3回は必ず飲む。
 来客に対して モンゴル人は香り高いミルク茶で心からもてなす。が もしお茶が出なかったら 草原地域では最も失礼なことになる。



2020113(月)

モンゴル茶の作り方


モンゴル茶の作り方

 以前から気になっていたモンゴル茶ですが 内モンゴル自治区のオルドス市(Ordos)のスポハン草原で 泊まり込みプログラムを体験したので 簡単にまとめてみました。

(1)モンゴルミルク茶には固形の磚茶(たんちゃ)を使う。「磚」は中国語でレンガの意味。緑茶から作る濃緑色の「青レンガ茶」と 紅茶などから作る黒褐色の「黒レンガ茶」があり 主産地は中国南部の湖北省など。何れもクズ茶を蒸して型に入れ 圧搾して乾燥する。他の中国茶に比べて低価格。
(2)レンガ茶を細かく砕く。ナイフや木槌を使っていた。
(3)普通は牛乳を使うらしいが この時は山羊の乳搾から始まり ゴートミルク茶を頂くことになった。
(4)鉄鍋を火にかけ 水2〜3リットルを沸騰させる。レンガ茶を50〜80グラム加え 5分程沸騰させる。約1/5の牛乳を加えて攪拌 塩を適量加える。再沸騰して出来上がり。(牛乳は水と同量と言う人もいるので お好みかも。お茶自体は取り出さなくても良い。塩味は極うすいお吸物の感じ。これもお好み。)
(5)ミルク茶をボウルに入れて食卓へ。この時は鉄鍋ごとサーバーに置き 下から小火で保温。中華スープ用ぐらいの食器にオタマで取り分けた。おかわりも自由。黄色い小粒のアワ・ヒエか?を少量入れるとカリカリの食感だった。

補足: レンガ茶を現地以外で探すのは大変かもしれません。原料はクズ茶なので どのようなお茶でも基本OKと思います。現地のお茶屋さんの話では レンガ茶ではなくプーアール茶(固形)を使ってモンゴルミルク茶を作るとおいしいとのこと。値段は軽く20倍以上だが 一度やってみようと思う。



2020111(土)

湖南省の激辛ザリガニ


湖南省の激辛ザリガニ

 中国漢字ではヘンにザリガニの意味らしい
 中国中南部の湖南省は毛沢東の生まれ育った土地。省都の長沙には中国四大書院(大昔の大学)の一つの岳麓書院があります。夏は高温多湿らしく 食では激辛のザリガニ料理が名物とか。出張の時に若者たちと食べに行きました(店の看板には確かに虫下とあります)。
 出てきたのは山盛りになった麻辣蒸しザリガニ それとティッシュの箱ビニール手袋。量は一人当たりおそらく20匹以上(この写真は残念ながら食後です。ちなみに赤色はラー油系のスープ 緑色は唐辛子で かなり強烈)。手袋をして 食べるところをむしり取り 食い散らかす。激辛もさることながら この豪快な食べ方に驚いた。手から口まで真っ赤になったが これがスタイルだそうです。
 味は??  赤い色と豪快な食べ方が強烈過ぎて 思い出せない



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 札幌在住ですが コロナ前には中国北京へ単身赴任が頻繁でした。面白い発見がたくさんあるので ご紹介します。この話題はElmtree (十勝ヒュッテプロジェクト)というブログに含めていたのですが 本題からあまりに離れることがあるので 「街・探検・文化」の別ブログとして発展的に分離しました。元のElmtreeもご覧頂ければ幸いです。

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