3 中国茶 on Tea(12)


2020123(木)

和菓子は喜ばれました


和菓子は喜ばれました

 ここしばらく 中国のお茶事情を知るために関係の友人を作る努力をしています。中国茶の先生とか大きめのお茶屋・道具屋などです。過日に(お茶用の)和菓子が話題になることがあったので 北京に戻る時に和菓子をお土産に持ってきました。驚くとは思っていましたが 彼らの反応は予想を超えていました。きれい・季節・上品甘味・芸術・職人技・すばらしい。中国茶の先生は感激の写真まで送ってくれましたし 茶道具店ではスタッフを集めての撮影会になってしまいました。有名女優が突然現れたようなものです。スタッフが最近始めたという自作のお菓子も持ち込まれて比較・試食になりました。
 北京から日本を見ていると色々感じることがありますが 最近の日本は技術・教育・経済でも(残念ながら)やられっぱなしの感があります。でも勝てるものが絶対あるはずだと常々考えていました。この和菓子は勝てる好例だと思います。
 歴史的に日本のお茶は中国から来たので 当然 本家の中国では現在も茶の種類・量・普及はたいしたものです。しかし 抹茶・茶道は日本独自の文化なのは世界の知るところです。和菓子はこのお茶の普及とともに京都を中心に発達したのでしょう。
 中国でお茶に合わせる菓子は普通は話題にもならないし 出たとしてもせいぜいヒマワリの種・焼き豆の類です。中国茶は微妙な香りと色を楽しむので強いものは合わないのだそうな。しかし 質素な菓子ではなくもし和菓子が出てきたら天変地異の驚きでしょう。感動してしまう。戦後の日本では和菓子は洋菓子に押されて減少の一途をたどりました。しかし和菓子には日本の文化・職人技が凝縮されています。しかも人間を感動させられる。
 十勝との関係を考えます。和菓子の基本材料は上質の豆・砂糖でしょう。この豆は赤白黒も含めて十勝が大産地で 日本中の和菓子屋が使っています。十勝にも有名な和菓子屋(多方面に展開中も含めて)がいくつもあります。和菓子に国際競争力があるのは間違いなさそうで これは日本文化・経済・観光での勝機・商機ではないでしょうか。日本の食文化はラーメンや寿司だけではありません。

写真上:中国茶は普通はお茶だけですが たまに出て来る地味なスナック。写真下:北京まで運ぶ間に少し歪んでしまいましたが 生菓子の柔らかさと短い賞味期間(4日間と言われた)は 逆に地産地消や希少性としてメリットがあるかも。



2020120(月)

中国の茶事情 6 (資格)


中国の茶事情 6 (資格)

中国茶にも資格はあるが だいぶ様子が違う

 中国には日本の流派のように免許はない国家認定の従事資格がある。
1.茶芸員:茶館で働く従業員の能力認定
初級(一般社員) ・中級(中堅社員):初級および中級茶芸師では、一通りのお茶の淹れ方とそのポイント、礼儀作法を学ぶ
高級(主任) ・技師(店長):茶芸技師に進むと茶芸の教授法も学ぶ.技師取得講座で教えるには茶芸技師以上の資格が必要
高級技師(マネージャー):複数店舗を束ねる
2.評茶員(師):茶に関する技術の能力認定。お茶の品質を客観的に評価をして ランク決める(値付けする)。茶葉のサンプルから改善点を発見し それを生産者にフィードバックする。取得者は茶生産や流通(農家 茶葉工場 卸・小売 貿易会社)に関わる人たちが多い。
 ということでこれらの資格は 人々がお茶を楽しむための方策・職務のようです。北京語言大のティールームで日本人女性に会ったのですが この茶の資格を取るために中国語を勉強していると言ってました。うまくいくといいですね。

注:
https://plaza.rakuten.co.jp/arukichi/diary/201001240000/
をもとにまとめました。



2020120(月)

中国の茶事情 5 (流派)


中国の茶事情 5 (流派)

中国茶にも流派はあるが 日本の感覚とはずいぶん違う

 中国茶に興味を持ち 良い機会なので習ってみるか と思うようになりました。さてどの流派にしようかと思い ちょっと調べてみました。その結果 歴史的には四大流派というのがあるらしいが 日本の流派のシステムとはだいぶ違うようです。以下は注参考にした意訳です。

 文化的背景の違いから中国四大茶道が形成された。
貴族茶道: 茶の品 富貴を誇示 皇帝 貴族 豪商
雅士茶道: 茶の韵 芸術を目標として楽しむ・清談 教養人・文人
禅宗茶道: 茶の徳 参禅悟道 僧 (日本に渡来)
世俗茶道: 茶の味 世俗 人生を享楽 庶民

 ということで 基本は 品・韵・徳・味と理解した。しかし 師弟関係とか段位のようなものは不明で 日本の茶道のように明確な流派ではなさそうです。<以上はあくまでも個人的見解です>

(注) http://honyaku.yahoo.co.jp/url_header?both=T&ieid=zh&oeid=ja&url=http%3A%2F%2Fwww.china.com.cn%2Faboutchina%2Fzhuanti%2Fcwh07%2F2007-09%2F07%2Fcontent_8835879.htm
文化背景不同便形成中国四大茶道流派。贵族茶道生发于"茶之品",旨在夸示富贵;雅士茶道生发于"茶之韵",旨在艺术欣赏;禅宗茶道生发于"茶之德",旨在参禅悟道;世俗茶道生发于"茶之味",旨在享乐人生。



2020119(日)

中国の茶事情 4 (お店)


中国の茶事情 4 (お店)

 馬連道に行けば何でもそろう

 中国の進物には驚くほどお茶が使われます。それだけ日常的にお茶が飲まれているのでしょう。
 北京には馬連道という茶の問屋街があります(注)。北京のお茶屋が仕入れに行く場所だそうです。ここではお茶から道具まで何でもそろいます。通りの両側はお茶関係のお店で また大規模ビルも多数あります。
 この中でも 馬連道茶城では各種の茶と道具が一か所で揃うし 安い。一見の価値があります。1-2階は小規模の茶商がたくさん入り 3階は上級品とプーアール茶博物館。値段もまちまちなので交渉も可で 試飲もさせてくれる。私が茶のお土産を買うときは ここで入手しています。お茶好きの方は丸一日いても飽きないでしょう。ただし 旅行者は買いすぎにご注意で 持って帰れなくなってしまいます。

注: 馬連道の場所は北京市街の南西で 北京西駅の近くで 地鉄7号線湾子駅下車。北京中心からはタクシーのほうが便利かも。歴史的には主産地の中国南部の省から北京に移住した方が住んだことに起因するそうです。



2020117(金)

中国茶事情 3 (入れ方 3)


中国茶事情 3 (入れ方 3)

 中国茶には古代のいれ方があった

 近くにある北京語言大のティールーム/カルチャースクールで展示品を見ていると 面白いものが目にとまった。やや大きい抹茶茶碗のようなもので 奇妙なことに上のほうに横一列の小さい穴が5つある。聞いてみたら 古いスタイル茶椀とのこと。(何で穴がある?)けげんな顔をすると 実演してくれるという。
 この大茶碗に4-5人分の量の茶葉を入れ 熱湯を入れて蒸らす。傾けてお湯を小さい穴から捨てる。なるほど茶葉は茶碗から流れないですむ。次に十分な量の熱湯を加えてタイミングを見て 銀製の柄杓(スプーン)ですくって 杯へ入れる。なるほどお茶の変化は簡単に見える香りも直接伝わるので非常にいい。これは古いスタイルの淹れ方唐(Tang)時代はこんなだったらしい。
 これは面白いと 早速に大枚をはたいて大茶碗銀柄杓を購入した。年末に山小屋で仲間たちと過ごした時に 持参して披露したら 皆さん楽しんでくれた。
 しかし いつも使うものでもないので コスパを考えてしまった。これならドンブリとオタマで代用すれば 中国茶を楽しめることに気が付いた次第。



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Elmtree2
 札幌在住ですが コロナ前には中国北京へ単身赴任が頻繁でした。面白い発見がたくさんあるので ご紹介します。この話題はElmtree (十勝ヒュッテプロジェクト)というブログに含めていたのですが 本題からあまりに離れることがあるので 「街・探検・文化」の別ブログとして発展的に分離しました。元のElmtreeもご覧頂ければ幸いです。

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