201516(火)

2015年 年頭に際して

2015年 年頭に際して

あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします。

本年は敗戦から70年になります。1970年代に「戦争を知らない子供たち」のフォークソングが流行しましたが、戦争の記憶と体験を知らない世代が人口の90%ほど(後期高齢者75歳以上11%)になり、歴史は「記憶から記録」の時代になりました。「自虐史観」を問題視して「自尊史観」に記録を書き換えようとしている人々がいますが、歴史を客観から主観にすり替えることができるのでしょうか。

戦時中、スペインのフランコ独裁政権に対抗して世界中から義勇軍が参戦した時代をモデルにしたヘミングウェイの「誰のために鐘が鳴る」が塗りつぶされて読めなかった時代、教科書にも掲載されたロバートキャパの「崩れ落ちる兵士」写真の時代背景、ナチスの爆撃を受けたスペインの「ゲルニカ」を描いたピカソの作品、日本の言論弾圧を描いた三浦綾子の「銃口」、戦争の実態を描いた五味川純平の「人間の条件」、森村誠一の「悪魔の飽食」などいたるところに戦争の歴史を垣間見る機会はあります。



話題の「慰安婦問題」は、公的資料を参考に書かれた近現代史を専攻する吉見義明著「従軍慰安婦」、シーメンスの南京支社長(ナチス党員)ジョン・ラーベの「南京の真実」など、近代史が授業時間の関係で学ぶ機会を失った現代、風聞に惑わされることなく冷静に考えることが大切です。

私の父は、2回召集され満州に派遣されました。「食糧調達」の名目で略奪行為をして、そこにいた現地人をゲリラとして扱い殺害したそうですが、「戦場にいるのはゲリラ」が戦争当時は常識だったようです。
自衛隊のイラク派遣で「自衛隊は戦場には行かない、だから自衛隊の行くところは戦場でない」との総理大臣の名言がありますが、戦場を決めるのは誰でしょうか?
軍隊が行ったところが戦場ならば「南京は戦場」、したがって戦場の常識が適用されます。
ドイツの宰相オットー・ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」との言葉がありますが、我々は戦争の失敗から何を学んだのでしょう。

現代でも原子力発電所の再稼働に関して、原子力規制委員会の田中委員長が川内原発は「基準への適合は審査したが、安全だと私は言わない」。反面、安倍総理は「安全が確認された原発は再稼働する」。川内原発を再稼働する根拠は何だろう・・・、既に責任の転嫁が始まる前から起こっています。
もっとも、責任など誰も取らないことを知りながら、昨年12月に施行された「特定秘密保護法」もじわじわと威力を発揮してきそうです。原発テロの恐怖を煽り、情報の秘匿が可能だからです。

保険の世界では、「戦争」と「放射能事故」では保険金が支払われません。購入頂いた保険商品が役に立たないのですから、平和と放射能事故の無い社会を切に願うものです。

                    羽田 武史






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