ショートストーリー(14)


2009127(火)

サケオ街の悪夢


サケオ街の悪夢

夜中の十二時過ぎ、なにやら怪しい声が「イカン!…イカン!…イカーン!」と京都の夜を引き裂く。
京都の夜は、秋だというのに まだ暖かく、ましてや北海道から来た私達にとっては、とても寝苦しい夜だった。
窓の外は車の通りが激しく、京都の街の大きさを思い知らされた。

ふと、部屋の中を見渡すと、人影が一つボーッと浮かび上がっている。
この人、仮にJ君としましょう。
彼、J君は寝つきが良く、一度寝ると二度と再び目を覚ますことはないと言われている。
この、J君を見つけたK君が、突然J君に布団を掛けて狂ったように殴りかかった。
K君の右手には、20~30センチはあろう爪が カシャンッと月明かりに照らし出された。
僕は、心の中で「お~~ぅ♪フレディ」と思った。

K君は、黒くツバの大きい帽子を深々とかぶり、苦しそうな声で
「J~…J~…」とJ君の名前を呼んでいる。
J君は、何を勘違いしたのか、ひたすら眠ったふりをしているだけだった。
その眠りは深く、なんぼ殴っても悲鳴を上げて ひたすら暴れるだけであった。

やがて、J君は「止めれって!今日は頭が痛いんだって!イカーン!」
と、何やら寝言を言っていた。
そして、次の瞬間J君はドアを打ち破って逃げ出そうとした。
ところが、ドアの向こう側では、まだ年端もいかぬ少女が縄跳びをしていた。
少女は「1・2・フレディがやってくる♪ 3・4ドアに鍵かけて…」と歌っている
J君は恐怖のあまり走り出し、気が付くと暗闇の中に一人 立っていた。
そこは女子風呂の脱衣場だった。
だが、J君に常識は通用せず、朝までそこに居たそうだ。
部屋のみんなはJ君の帰りを待ち構えていたが、朝日とともに力尽きたのだった。

ふと目が覚めると、服が破けていた。
夜の出来事は… 夢だったのであろうか…。


タイトル
修学旅行の思い出  2年A組 海野サケオ(高校の卒業文集より)

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あとがき
修学旅行初日の夜、京都の大部屋を、見事に仲良しバカ仲間で占拠
大枕投げ大会から、プロレスまがいの大騒ぎに発展
そのドサクサに紛れ、一人 女風呂を覗きに行くJ君を表現
当時、流行していた「エルム街の悪夢」風にアレンジした作品です。
この時の、現国の評定は 確か4だったと思います(五段階評価)

はい、クラス34人中33位の人間の作文です・・・



20081225(木)

クリスマスの街


クリスマスの街

街にはクリスマス・ソングが流れ、樹木は綺麗なイルミネーションをまとい

そしてウインドウは豪華に飾られ、サンタクロースが、街角で踊る。

店頭には沢山の玩具がならべられている。


大勢の人達で にぎわうクリスマスの街を 母と子が手を取り歩いている

小さな男の子は、目を輝かせて喜ぶに違いないと母親は思った。

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ところが、子供は母親のコートにしがみ付いてシクシクと泣き出した。


「どうしたの? 泣いてばかりいるとサンタさんは来てくれませんよ」

「あら? 靴の紐が解けていたのね」


母親は歩道にひざまずいて、子供の靴の紐を結び直してあげながら

何気なく、顔を上げてみた。



・・・何も無いのだ



綺麗なイルミネーションも、ショーウインドウも

サンタも、プレゼントも、楽しい飾りつけも・・・


何もかもが 高すぎて子供には見ることが出来ない世界


目に入ってくるものは、大人達のお尻や太い足が

押合い、突き当たりながら 過ぎていく通路だけだった。



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目線が少し違うだけなのに、見える世界は大きく変わります。

相手を気遣い、そっと抱き上げてあげる強さと優しさが欲しいですね





2008127(日)

(続)サンタクロース


(続)サンタクロース

『リアルサンタクロース』
                        
「サンタクロース」の補足です
                            

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写真は、子供達のクリスマス・パーティーの時に撮影したもの
                 
                    
このカッコウで、友人宅の犬を脅し!

                     
                     
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この顔で、子供達を泣かしました・・・
                     
                     
                       
さっ! マグロ君と野球に行ってこよう~

     「ガオォ~   !」



2008127(日)

サンタクロース


サンタクロース

「ねぇ? お父さん、サンタさんて本当は居ないんだよね?
 みんなが言ってたよ、プレゼントは本当はお父さんが買って来てくれるって」


その時、娘はまだ小学二年生だった。 正直、驚いた。


「そんな事は無いよ、良い子のところには本物のサンタさんが来るんだよ」


私は、我が子の純粋な夢を壊した その『みんな』を苦々しく思った。



12月25日 クリスマスの夜
子供達が眠りにつく頃、私は昼間のうちに買って隠しておいたサンタクロースの衣装に、そっと着替える。
そして、2階にある子供達の寝室へと向かう。

このタイミングが難しい。

完全に眠っていてはいけない、でもベットに入って直ぐも良くない。
ベットの中で、夜の闇の音を十分に聞き、後は眠りにおちるのを待つだけ。
そんな、タイミングがベストである。

そっとドアを開ける。弟はグッスリと眠っているが、かけ布団のすき間から僅かに娘の視線を感じながら、枕元にプレゼントを置く。
でも、娘は決して話しかけてはこない。

なぜなら、昼間のうち十分に言い聞かせてある。


「いいかい、サンタさんはね、子供達が寝てからやって来るんだよ。夜遅くまで起きている子にはプレゼントをくれないんだよ」


子供達の部屋を出て、サンタの衣装を脱ぎ袋に押し込み、慌てて階段を下りて テレビの前で涼しい表情に戻る。

後を追うように娘が下りてくる。


「お父さん!今サンタさん来なかった?ここ、通らなかった?私見ちゃったの!サンタさん」


私は少し面倒臭そうに言う。


「えぇ、寝ぼけたんじゃないのかい? そんな、家の中をサンタさんが通ったら いくらお父さんだって気が付くよ。誰も来ていないよ」


娘は、慌ててベットに戻り、また直ぐに戻って来た。


「見て!ほら!プレゼントよ!私これ、とっても欲しかったの! やっぱりさっきのはサンタさんよ!だって私、本当に見たんだもの!」


「本当だ!良かったね~。いつも良い子にしていたからだね。でも今日はもう遅いから寝なさい」


「うん!おやすみなさい!」





そんな娘が中学校に入学した年の暮れ。


「さすがに、この歳でサンタさんはないよね~」


などと小生意気な事を言う。


「そんな事は無いよ、サンタクロースは本当に居るんだよ」


娘の顔には、(またお父さん・・・始まった)と書いてある。


「大丈夫、弟には内緒にしておくからサ」




12月25日 クリスマスの夜
いつもより早めに弟を寝かしつけ、娘だけを呼び、袋を手渡し小声でささやく。


「早く これに着替えなさい、少し出かけるよ」


袋の中にはサンタクロースの衣装が。
驚く娘をよそに私は、せっせとトナカイの衣装に着替える。


数分後、静かに降る雪の中を、可愛いサンタクロースと ちょっとオマヌケなトナカイを乗せた車が一台。


実は、サンタの衣装を買った翌年から「せっかく買ったのだから」と、私はクリスマスの夜になると、友人達の子供にプレゼントを配ってあるいていた。
今年は娘と一緒に、友人宅を回ることにしたのだ。

大勢の子供達に配るプレゼント。当然、高価な物は買えない。しかし大丈夫!
プレゼントを受け取る子供達の目は、プレゼントではなく可愛いサンタさんに釘付けである。


「わぁ~!サンタさん!ありがとう!」


そこには、数年前の娘と同じく キラキラと輝いた瞳があった。




最後の一軒にプレゼントを届け終えた帰りの車中、娘がつぶやく。


「みんな いっぱい喜んでいたね、 なんだか私の方が嬉しい気持ちになったよ。 みんな可愛いな~・・・来年も一緒にプレゼントを渡しに行こうね」


私は前を見たまま答えた。


「今、感じている その気持ち。 その気持ちのことを『サンタクロース』って呼ぶんだよ。
 サンタクロースは人の形をしているのではなく、大人達の心の中に居るんだよ」

そう言って、娘が欲しがっていたホーナー製のブルースハープを手渡した。


今年、コンブは高校二年生、サンタクロースが本当に居ることを知っている。



20081112(水)

サケオの・・・な話し(5)


サケオの・・・な話し(5)

数日後、彼女は部屋で死体として発見された。

右手に黒い手袋を着け、自らの首を絞めていた。

左手には白い手袋を着け、その右手を阻んでいた。

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そう、黒い男は確かに存在したのだ


黒い男
「俺は…思いをとげた…
 彼女は俺の手の中にあった…
 俺は彼女を得て…そして失った…
 同時に俺が存在する意味も…もう、消えた…」

白木健一
「僕は彼女を守る事が出来なかった
 悔やみきれない…
 しかし、僕の彼女への愛は永遠となった
 彼女を失う事によって、より大きな愛を手に入れた
 それで、僕の存在が失われても構わない」

橘瑞穂
「私は愛を得ました。  二つの愛を
 清純な愛 と 邪悪な愛 を…
 どちらでも構わない。

 いいえ、   本当は・・・両方とも欲しかったのだわ」

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