2015624(水)

琥珀に混じりて


琥珀に混じりて

接客やサーブ手順など、
飲食業について目下いろいろと勉強中ですが
お酒もその一つです。

私は普段はあまりお酒は飲みませんが、
下戸というわけではなくて、
むしろお酒を飲んで盛り上がるのは好きな方です。

少しアルコールが入っている時の会話の楽しさは
やはりお酒の大きな効用の一つだと言ってもいいでしょう。

とは言え、お酒にそれほど造詣が深いわけではないので
こうして飲食業をするようになったからには
少しずつ勉強していこうと思っているところです。


学生の頃は大して金もなかったので
安酒ばかり飲んでいました。
どこで飲もうと、何を飲もうと、
酔えればそれで良かったですから。

ある日、大学にサークルのOBが遊びに来て
私をバーに連れて行ってくれました。

ほの暗いカウンターと、ところどころに置かれた丸いテーブル。
カウンターの中では、バーテンダーがグラスを磨き
私達はそのカウンターに並んで座り、
OBが勧めてくれた酒をチビチビと舐めるように飲んでいました。

ウィスキーグラスの中では丸くて大きな氷がカラカラとなり、
琥珀色の液体が少しずつ溶けた氷にすらりと混じっていくのを
私はバーの間接照明の光越しに見ながら
大人の世界を垣間見たような気分になっていました。

とその時、急に先輩に仕事の連絡が入り(当時はポケベルでした)、
先輩は勘定だけを済ませて先に店を後にしました。

「ここから先は自分の金で飲めよ」

なんて言って帰られたと思います。

1杯いくらかも良くわからないような有り様でしたが
やがてグラスが空になり、バーテンダーに何を飲むか尋ねられ
私は、カウンターに並んでいた色とりどりのボトルの中から
かろうじて自分に読み取れた銘柄を指し、それを頼みました。

というより、他のボトルは名前が横文字で書いてあって、
どう読めばいいかも分からなかったのです。

「山崎ですね、水割りにしますか?
それともロックがよろしいでしょうか?」

正直に告白すると、味は全く覚えていません。
バーテンダーが話しかけてくれる言葉にも
ろくに返事もできずに
そのバーを後にしてきた記憶だけが残っています。

その日以降も、私が飲む酒は安酒ばかりで
とりあえず酔いつぶれるまで飲むことの繰り返しでしたが、
大学を卒業し、折にふれていろんな酒を飲むようになって
少しずつ酒に関する知識も増えてきました。

その分、失ったものもたくさんあります。
いろんなことを始めてはやめて
いろんな人に出会っては別れました。

北海道に移住し、飲食店を始めることになるとは
まさか思いもしませんでした。

東京にいても、北海道に来ても
別れがあって出会いがあるのは同じなのでしょうけれど。

実を言うと、お酒を店に置くにあたってどのお酒を置くか決める時、
山崎を選んだのはそんな理由です。

そして、ちょうど私の青春時代に瓶に詰められたであろうウィスキーも
お店に置かせてもらうことにしました。
ちょうど私が大学を卒業した年ぐらいに作られていることになります。

「山崎」
「竹鶴21年」

ご存知の通り、どちらもとても良いウィスキーです。
過ぎし日を偲び、あるいは来たる日を思い浮かべながら
ゆっくりとお酒を楽しみたい夜に是非。







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