まかない(843)


20181219(水)

今日のまかない 2018.12.19


今日のまかないはカツにするにはちょっと薄いロース肉をどう使うかというところから始まりました。
生姜焼きという流れもありましたがそこにブログネタという視点を持ち込みまして、10年くらい前にテレビにて得た「豚肉とゴマとにんにくの組み合わせは疲労回復に効果的」という謎知識をマスターに伝えたところからそれは誕生することとなりました。
その名も勝手に名付けるなら、豚肉とゴマとにんにくのスタミナ炒め(なんちゃって四川風)でしょうか。

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ゴマの風味と言いますか、すりゴマをパラパラー・・を想像していた自分にとっては練りゴマは想像以上で、贅沢を通り越してもったいないくらいです。
絡みも違いますし、説得力が段違いです。大好きな担々麺的な感じもあります。
ゴマの風味が失われる条件も教えてもらいました。
一方であまりゴマとにんにくを組み合わせることはないそうです。
小松菜の青みは補色対比な感じで視覚的にも目を引きます。
甘い玉ねぎがなんとなく調停役っぽくもあります。
ご飯のおかずにはもちろん、それ以外にも。。
そしてあえて聞いてみましたが、点数は60点くらいとのこと。

ゴマつながりで言えば、本来の担々麺は酢を使うので酸味があるのだそうです。
確かに、お店で最初に食べた担々麺は酸味を感じるものでした。
僕はそれが担々麺における初めての味覚体験だったので「これは面白い」と思い、後日再訪した際に再び注文したのですが、その時にはその酸味はなくなっていました。かかっていたラー油も一緒に。
そこは判断です。
それはそれでおいしいのですが、せっかくテーブルに用意されている酢も手作りラー油も、本来の担々麺を知らない人は活用することはないと思います。
担々麺に限らず、本来はどういうものであるのかを知らずに積み重ねていることが多いなーと思うところでもあります。
カリフォルニアロールが思い出ささります。



20181218(火)

今日のまかない 2018.12.18


今日のまかないは光麺(こうめん)です。
光麺とは何も入っていないラーメンのことのようです。
また、スープを仕込んでいる今日しかできないとのことです。

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素ラーメン、またはかけラーメンと言いたくなります。
スープも醤油ダレと調味料等のみで、普段作るラーメンよりも実に単純です。
味は屋台的でもあるようで、また今でいう食堂系ラーメンと言う感じです。
麺は”1人前+あまり”なので多めですが、あっさりすっきりなので「いくらでも入るでしょ」と言われて「ハイ」と答えてしまいます。
その一方でスープ自体はまだ、鳥なら鳥、といった感じでそれぞれの材料の風味が尖っていて一体となってない印象です。
出来としては30%の状態だとか。
温度の影響についても教えてもらいましたが、この段階の味を経験させてもらえたことも貴重です。
さておき、このスープがもやしラーメンやその他ラーメンの土台となってバランスしていくのだとか。
そこですごく納得しました。

今日は、先日教えてもらった鶏肉の下ごしらえを早速実践して揚げたザンギをお店に持って行きました。
怖いものだらけなのに怖いもの知らずと言いますか、卑屈なのに分をわきまえないと言いますか。
ともかく自覚している問題点は三つほどありましたが、出来は80点。初めてにしては良い。もうちょっとで商品としていけるとのこと。
手探りで基本がない割にはというところでしょうか。あまり褒めるのもアレだけどセンスがいいとのこと。
しかし、センスがいい人でも”簡単だな”と思うとダメになるのだとか。
より良くしていこうという歩みを止めた時から、人は落ちていくのでしょうか。
寝ているウサギより、歩き続ける亀でしょうか。
柔道の古賀さんが試合において「勝てる」と思った瞬間、金メダルが目の前から消える映像が見えたという話が思い出ささります。

マスターが使う中華包丁を凝視しつつ、冗談めかして「その包丁が欲しい・・・!」と言うと、「調理師になるんだったらあげるよ」とのこと。
お店でお世話になっていることを父に伝えた時にも「(この流れで調理師に)なるべ」と言われましたが、調理師として生きていくことは非常に厳しく、調理師を目指し調理師学校を出た人でも10%から15%くらいの人しか残らないと聞きました。
そしてその道で帯広、十勝で生きていくのならいろいろな面でなおのこと厳しいのだと思います。
そういう思いを持ちつつも、今は与えられた縁にまるっと乗っかって、自分が生きていくために必要なこととして全て学ばせてもらおうと思っています。



20181215(土)

今日のまかない 2018.12.15


今日のまかないはお煮付けと蛋帽(タンポウ)です。
タンポウは単品料理ではなく別の料理の上にのせるもので、〇〇蛋帽という風に使い、〇〇の部分には野菜炒めなどを表す言葉が入るそうです。
帽子がのっているように見えることが名前の由来とのこと。

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外は両面にしっかりと焼き目。中は伊丹十三さんがチューチューできるくらいの黄身。
特筆すべきはその調理法かと思います。
大雑把に書くと、油を引いた中華鍋に卵を入れて縁が内側へ盛り上がってきたところでひっくり返す。
宙を舞う目玉焼きを初めて見ました。

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中はこの通り。
本来の姿なら、あとのせトロトロを他の具材と絡めて楽しむところなのでしょう。
この料理はなんだか世界が違うなーと思いました。

お煮付けは里芋のいいところを活かしきるひと手間を教えてもらいました。
表面も溶けていませんし、里芋の風味が煮物にのみこまれてもいません。
一方で、短い調理時間でなぜここまで仕上がったのかという謎も残りました。



20181214(金)

今日のまかない 2018.12.14


今日のまかないはネギラーメンです。
帯広市民ならばネギラーメンといえばあれ、と思い浮かべる味があるのではないでしょうか。
もはやまかないの定義が疑われる、マスターの作れるよシリーズ第2弾です。

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ネギの香ばしさと甘みが大げさではなく半端じゃないです。
大げさに言えばネギ嫌いの人がいるおかげで高級料理にならずに済むくらい、出せば出るメニューだと思います。
たっぷりの香ばしく甘いネギと、お肉の旨味がしっかりと感じられる柔らかくしっとりとしたモモチャーシュー。下処理の違いでしょうか。
ネギはケチらないという言葉そのままに、スープの終わりまでネギラーメンとしての体を保っています。これは確実に喜んでもらえるはずです。確実です。
そしてチャーシュー。。
これを食べてどう感じるかで、味覚だけでなく料理への考え方や捉え方もはっきりしそうです。
自分でも何を言っているのかわかっていないのかもしれませんが、今思っていることをありのまま言うと「ほとんどの人が、今、自分が何を食べているのかわかっていないのではないか」と表現したくなります。
基準を持てずに何でもありの状態。

麺もスープも具も手作り。
全てに人の手が入った料理です。
昨夜、4歳の小さなお客さんが「このお店、なにたべてもおいしー」と言っていたと聞きました。
数十年来マスターの料理を知るお客さんも、メニューに迷いつつ「だって、何食べてもうまいんだもん」と言います。
僕にはこれが、最初の食への喜びが変わらず消費されず、使い捨てられず何十年と続いていることを表しているように思えます。
そしてそれは土台があればこそなのだと思います。

今日は帯広ラーメンと言えるものが過去に存在していたお話を聞かせてもらいました。
屋台の時代。他地域と比べてもとてもおいしかったそうです。
なぜ釧路には釧路ラーメンがあって、帯広には残っていないのか。
なぜ帯広には外の企業の飲食店が多いのか。
帯広の人の特徴。
そんな話を聞きつつ、フードバレーというお題目は選ばれるべくして選ばれた、と思いました。



20181213(木)

今日のまかない 2018.12.13


今日のまかないは、ほぼ天(カス)とじ丼です。
とじ系は卵どん、親子丼、カツ丼(一部地域を除く)などありますが、ご飯がべちゃべちゃにふやけるのを嫌う人もいます。
うちの父と兄です。
そして薄々気付いてはいましたが僕もです。

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白菜の上品な甘さが下敷きになっています。
天とじ系を食べることはありませんが、これが最初に食べた天とじであったなら違っていたかもしれません。
そんなわけで、今日は自分にとって今まで食べてきた汁気丼がいかにおいしくなかったか、ということに気づいた日でもあります。
普段の食べ方のせいもあるかもしれませんが、以外とおいしいと思っていないものは多いのかもしれません。

匂いや色味、盛り付け、お店のイメージや環境、このみ。
逆に言えば好きな要素と噛み合うと、他の不出来には自動的に目をつぶって食べているのかもとおもいます。
そこに気付かず人にうまいまずいと伝えることによって齟齬が生まれるのかもしれないともおもいます。
うまいものと好きなものは別。
食べ物に限った話ではないきもしますが。



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修行しているお店のまかないと、その日あったことや気付いたことを記録しています。

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